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《女占い師》

La Diseuse de bonne aventure
《女占い師》ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
Wikimedia Commons / メトロポリタン美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
制作年
1630–1639年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
101.9 × 123.5 cm
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明るい光の中、刺繍のある薄紅色の衣服を着た若者が4人の女に囲まれている。右端の老女が運勢を告げて硬貨を受け取るあいだに、仲間の女たちは彼の財布を抜き取り、肩から下げた金の鎖を切ろうとしている。

概要

《女占い師》(仏: La Diseuse de bonne aventure)は、フランスの画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールがおそらく1630年代に描いた油彩画である。縦101.9センチ、横123.5センチのキャンバスに、着飾った若者が女たちに囲まれ、運勢を占ってもらううちに持ち物を盗まれる場面を描いた風俗画で、1960年からメトロポリタン美術館が所蔵する。

画面の読み解き

館の解説によれば、豪華な衣装に身を包み静かにたたずむ人物たちを、生き生きと動く目と忙しく働く手が結びつけている。右端の年配のロマの女性が若者の運勢を告げ、そのあいだに若い仲間たちが彼から盗みを働く。日本語版と英語版のウィキペディアによれば、老女は若者から硬貨を受け取り、左端の女は若者の懐から財布を抜き取り、その隣で横顔を見せる女がそれを受け取ろうと待つ。老女の隣の青白い顔の娘は、若者を横目で見ながら、メダルの付いた金の鎖を切ろうとしている。若者は刺繍のある薄紅色の衣服に革の袖なしの上着を重ね、ベルトの先には金の飾り玉が下がる。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。日本語版ウィキペディアによれば、ラ・トゥールが夜の情景ではなく昼の情景を描いた作品は1630年から1638年の間に制作され、本作の場面も明るい日の光に照らされている。盗みの場面でありながら、登場人物はみな優雅な衣服をまとい、画面には演劇の一場面のような現実離れした雰囲気がある。画家は人物の視線と手の動きに見る者の注意を引きつけるよう構成している。館の学芸員デイヴィッド・プリンズは、若者の袖の薄紅色や金の縁飾りの美しさとともに、肌の色や派手な衣装の描き分けが、ロマの人々への偏見を強めていることにも注意を促す。

来歴

館によれば、本作は20世紀半ばになって初めて見いだされた。日本語版ウィキペディアによれば、所有者ガスティーヌ将軍の縁者ジャック・セリエは、幼いころから家に掛かるこの絵を見ていた。第二次世界大戦中の1943年、ドイツ軍の捕虜となった彼は、司祭から配られた本に載ったラ・トゥールの《いかさま師》の図版を見て、同じ画家の作だと気づいたという。1949年にルーヴル美術館が購入を目指したが交渉はまとまらず、画商ジョルジュ・ウィルデンシュタインが手に入れた。英語版によれば代金は750万フランだった。1960年、メトロポリタン美術館がロジャーズ基金で購入した。所蔵番号は60.30。

意義

館によれば、ラ・トゥールは、北方の版画や、ローマでカラヴァッジョが広めた主題を取り上げた。一方で右上の署名には画家が暮らしたフランス北東部の町の名があり、カラヴァッジョとは別にこの主題を練り上げたことをうかがわせる。英語版によれば、銘は「G. de La Tour Fecit Luneuilla Lothar」と読める。日本語版によれば、名作が突然アメリカへ渡ったことはフランスに衝撃を与え、文化大臣アンドレ・マルローが議会で輸出の経緯を釈明するほどだった。英語版によれば、本作をラ・トゥールの作とする論考は1961年に館の紀要に載ったが、真作であることを疑う研究者もいる。