《地獄に堕ちる罪人たち》
- 作者
- ピーテル・パウル・ルーベンス
- 制作年
- 1621年
- 素材
- 板 / 油絵具
- 寸法
- 286 × 224 cm
- 所蔵
- アルテ・ピナコテーク
- 時代
- バロック・ロココ
- 流派
- バロック
左上の光の中で、大天使と天使たちが盾を掲げて押し返し、無数の裸の人々が頭から転げ落ちていく。人の群れは右上から左下へ渦を巻いて流れ、下の暗がりでは悪魔や竜のような怪物が待ち受ける。
概要
《地獄に堕ちる罪人たち》は、フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンスが1621年頃に描いた油彩の板絵で、ミュンヘンのアルテ・ピナコテークが所蔵する。館の記録では縦286センチ、横224センチ。館の題は《呪われた者たちの地獄への転落(デア・ヘレンシュトゥルツ・デア・フェアダムテン)》で、館の2階の第8室に展示されている。
画面の読み解き
館の解説によれば、ルーベンスは、ほかの「最後の審判」の絵とは違って、地獄への転落だけに主題をしぼり、それを記念碑的な大きさで描いた。罪人たち、悪魔の姿をしたものたち、悪霊の混じり合った怪物たちが密集して一本の対角線をなし、それが渦となって終わる。この流れは、マタイによる福音書(25章41節)が語る地獄の火の吸い込む力を目に見えるものにしている。画面の左上の光の中では、天使たちが落ちていく人々を押し返し、下の闇には怪物たちが口を開けて待つ。
技法・様式
館によれば、出来事の恐ろしさと逃れようのなさが見事にとらえられている。地獄に落ちていく人々の恐怖の叫びや、地獄のとどろきを思い描くのに、多くの想像力はいらない。館の目録は、本作の主題を、裸体、残酷、絶望、火、ヨハネの黙示録などの語で整理している。
来歴
館の記録によれば、本作はデュッセルドルフの画廊にあり、1806年にミュンヘンに移された。所蔵番号は320。いまの額は、18世紀前半にヨーゼフ・エフナーが、シュライスハイムの新宮殿かミュンヘンのレジデンツの画廊のために作った額である。
意義
館は、地獄落ちだけを独立した大画面にしたことを本作の特徴とする。同じ館にあるルーベンスの作品には《レウキッポスの娘たちの略奪》がある。