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《キリストの埋葬》

Deposizione di Cristo nel sepolcro
《キリストの埋葬》ミケランジェロ・ブオナローティ
Wikimedia Commons / ロンドン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ミケランジェロ・ブオナローティ
制作年
1500–1501年
素材
板 / 油絵具
寸法
161.7 × 149.9 cm

裸のキリストの体が布で吊るされるように持ち上げられ、奥の岩の墓へ向かって階段を運ばれていく。左の赤い衣の若者と右の緑の衣の女性が体を支え、背後から髭の老人が抱える。右下には何も描かれていない空白が残る。

概要

《キリストの埋葬》は、イタリアのミケランジェロ・ブオナローティが1500年から1501年ごろに描いた、未完の油彩の板絵である。縦161.7センチ、横149.9センチで、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。館の正式な題は《キリストの埋葬(または墓へ運ばれるキリスト)》。

画面の読み解き

所蔵館によれば、キリストの裸の体がまっすぐに持ち上げられ、奥の岩の墓に向かう階段を運ばれていく。青白く彫刻のような6人の人物が画面を密に埋める。体には傷がなく完全な姿で描かれ、縦に立てた姿勢は聖体を思わせ、復活をほのめかす。人物の特定には議論があるが、左の赤い衣の長髪の若者はおそらく福音書記者ヨハネで、巻いた布で体を支えて力をこめる。オリーブ色の衣にピンクの袖の横顔の女性はおそらくクロパのマリア、背後から体を支える毛皮の肩掛けの禿頭の男はアリマタヤのヨセフかニコデモである。左下にひざまずく女性はおそらくマグダラのマリアで、描かれていない茨の冠と釘を見つめている。右端の灰色の衣にピンクのマントの女性はサロメのマリアかもしれず、右下の空白には、ひざまずく聖母が描かれるはずだった。

技法・様式

板に油彩で描かれる。所蔵館によれば、多くの部分に下地だけが残る。右上の暗い岩では、ミケランジェロは絵具を削って墓石を動かす二人の人物を浮かび上がらせており、大理石を彫るのに似た手法である。人物を一人ずつ描き上げてから次へ進む描き方は、この時期の油彩としては珍しい。聖母のマントには、当時最も高価な顔料であるラピスラズリのウルトラマリンが使われるはずだった。

来歴

所蔵館によれば、ミケランジェロは1500年、ローマのサンタゴスティーノ聖堂にあったクロトーネ司教ジョヴァンニ・ダ・ヴィテルボの墓所礼拝堂のために注文を受けたとみられる。礼拝堂はピエタに捧げられており、主題に合う。1501年、おそらく《ダヴィデ》の大理石を得るためフィレンツェに戻り、のちに前金を返した。その後ファルネーゼ家(1649年までに)、フェッシュ枢機卿の収集を経て、画家ロバート・マクファーソンがロンドンへ運び、1868年に同館が購入した。所蔵番号はNG790。

意義

所蔵館によれば、17世紀末か18世紀初めの素描から、描かれなかった聖母は、見る者に背を向けて手を合わせてひざまずく姿だったと考えられる。同じく未完の《マンチェスターの聖母》(同館)にもこの青がないことは、ミケランジェロが高価な青を最後まで使わずにおいたことを示すのかもしれない。未完のまま残ったことで、画家の制作の手順が画面にそのまま読み取れる。