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《天使の合奏》

Η Συναυλία των Αγγέλων
《天使の合奏》エル・グレコ
Wikimedia Commons / アテネ・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
エル・グレコ
制作年
1608–1614年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
115 × 217 cm
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雲の上で、翼のない天使たちが楽器を奏でる。左では桃色の衣の天使が鍵盤に手を伸ばし、緑の衣の天使が楽譜を開く。中央には竪琴、右には笛を吹く天使と、大きな弦楽器を弾きながら天を仰ぐ天使が並ぶ。

概要

《天使の合奏》は、エル・グレコが1608年から1614年頃に描いた油彩画で、アテネ・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。縦115センチ、横217センチの横長のキャンバスで、同館の本館に展示されている。所蔵館によれば、本作はマドリードの銀行のコレクションにある受胎告知の天上の部分で、画家が1614年にトレドで亡くなる直前に描いた、最後の作品の一つである。

画面の読み解き

所蔵館の解説によれば、天使たちには翼が無い。彼らは天上の楽団の一員で、画家がヴェネツィアにいた頃に目にしたはずの、当時の楽器を奏でている。楽器はスピネット(ピアノの前身)、竪琴、笛、ヴィオラ・ダ・ガンバで、二人目の天使は楽譜を持ち、指揮をしながら歌っている。館は、奏者たちの身ぶりを正確にとらえている点に目を向けるよう勧める。

技法・様式

所蔵館によれば、本作は未完成のまま残され、画家の技法について多くを教えてくれる。人物は速い筆づかいで描かれ、天使たちの衣は渦巻く炎の舌のように揺れ動く。赤と緑の中のオレンジ、青の中の金のように、光の当たり方で変わる玉虫色の配色が用いられ、館は、こうした色を古代ギリシア人は「メタントゥンタ」と呼んだと記す。

来歴

Factum Foundation の記録によれば、もとの《受胎告知》は、エル・グレコが1608年から1614年に手がけた最後の連作の一つで、トレドのタベーラ施療院のために注文されたが、のちに取り外されて切り分けられた。下の部分は現在マドリードのサンタンデール銀行のコレクションにある。二つの断片は分かれてからそれぞれの道をたどり、別々の修復を受けてきた。2026年5月には同財団がアテネで本作を高精細に記録し、マドリードの断片とデータの上でつなぎ合わせる研究を進めている。

意義

所蔵館は、本作が内なる生命に満ちて震えるようであり、表現主義の先駆けとみることもできる、と述べる。同じ時期の作品には、《黙示録第5の封印》(1608〜1614年)がある。