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《絵画芸術》

De Schilderkunst
《絵画芸術》ヨハネス・フェルメール
Wikimedia Commons / ウィーン美術史美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヨハネス・フェルメール
制作年
1666–1668年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
120 × 100 cm
所蔵
ウィーン美術史美術館 (GG 9128)
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左に重い綴織の幕が引かれた明るいアトリエで、黒い帽子の画家が背を向けて画架に向かう。窓辺には月桂冠を頭に載せた青い衣の娘が、トランペットと黄色い本を持って立ち、奥の壁には大きな地図が掛かる。

概要

《絵画芸術》(蘭: De Schilderkunst、独: Die Malkunst)は、オランダの画家ヨハネス・フェルメールが1666年から1668年頃に描いた油彩画で、ウィーン美術史美術館が所蔵する。キャンバスに描かれ、縦120センチ、横100センチ。所蔵館によれば、アトリエで制作する画家の姿を描いた風俗画を、絵画芸術の寓意画に高めた作品である。奥の壁の地図の下の縁に「I Ver-Meer」の署名がある。

画面の読み解き

画面の左を綴織の幕がふさぎ、その奥の明るいアトリエで、黒い帽子をかぶった画家がこちらに背を向けて画架に向かう。画架のキャンバスには、モデルの頭の青い葉の冠が描き始められている。所蔵館によれば、窓辺に立つモデルは歴史の女神クリオに扮している。クリオは画家に霊感を与え、かつてのネーデルラントの絵画の栄光を告げて、それを歴史の書に刻む。月桂冠を頭に載せた娘は、トランペットと黄色い本を手にする。テーブルの上の彫刻の型と画帖、画架の上の描きかけの絵は、諸芸術の一致を示すという。

技法・様式

光は画面の左から差し込み、モデルの青い衣、地図の皺、天井から下がる真鍮のシャンデリアを照らす。床の白黒の石は奥へ遠ざかり、手前の幕と椅子から、画家、モデル、地図へと奥行きが重なっていく。所蔵館の記録によれば、地図の上の縁には「NOVA XVII PROVINCIARUM … DESCRIPTIO」という題と、ニコラウス・ピスカトルの名が読める。所蔵館は、北と南に分かれる前のネーデルラント17州を描いたこの地図が、古くから絵画で名を馳せた土地を指していると解説する。所蔵館は2010年、本作を主題とする展覧会「フェルメール《絵画芸術》——傑作の痕跡をたどる」を開き、その目録には修復の歴史と現在の状態の調査が収められた。

来歴

所蔵館によれば、画家の没後は未亡人カタリーナ・ボルネスの手にあり、1676年にその母マーリア・ティンスに渡され、1677年3月15日にデルフトの競売にかけられた。のちウィーンのゴットフリート・ファン・スヴィーテンの遺品となり、1813年にルドルフ・チェルニン伯爵が手に入れて、ウィーンのチェルニン家の画廊に収まった。オーストリアの美術品返還諮問委員会の決議によれば、本作は1924年から文化財保護の指定を受けており、1940年10月4日、ヤロミール・チェルニンがヒトラーのためのハンス・ポッセの申し出を受け入れ、165万ライヒスマルクで売った。所蔵館によれば、1945年にミュンヘンの中央美術品収集所に移され、1946年11月7日にウィーン美術史美術館に引き渡されて、1958年に正式に収蔵された。

意義

チェルニンの相続人は本作の返還を求めたが、同委員会は2011年3月18日、チェルニンが迫害を受けていたことも、売却が強いられたものであることも認められないとして、相続人に引き渡さないよう全会一致で勧告した。所蔵館の解説は本作を、画家自身の仕事の場を舞台に、歴史の女神と地図を通して絵画の栄光をうたう寓意として紹介している。