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《シュプレマティスト・コンポジション》

Супрематическая композиция
《シュプレマティスト・コンポジション》カジミール・マレーヴィチ
Wikimedia Commons / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
カジミール・マレーヴィチ
制作年
1916年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
88.5 × 71 cm
時代
20世紀
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白い地の中央に、傾いた濃い青の四角形が浮かぶ。その下を太い暗紫色の帯が横切り、細い赤い線が斜めに貫く。まわりには緑の長方形や黒、黄、橙、薄紅の小さな面が、右上へ向かう流れに沿って散らばる。

概要

《シュプレマティスト・コンポジション》(露: Супрематическая композиция)は、ロシアの画家カジミール・マレーヴィチが1916年に描いた油彩画である。縦88.5センチ、横71センチのキャンバスで、ロシア語では「赤い光線の上の青い長方形」と副題を添えて呼ばれる。シュプレマティスムの代表作の一つで、アムステルダム市立美術館に約50年あったのち、2008年に遺族に返還された。現在は個人が所蔵する。

画面の読み解き

白い地の中央やや右に、傾いた大きな濃い青の四角形が置かれる。その下を太い暗紫色の帯が水平に横切り、細い赤い線が左下から右上へ斜めに貫いている。左上には長い緑の長方形と黒い短冊形が斜めに並び、右上には黄色の細い面が重なり合い、上端の中ほどには青や橙の小さな四角形が集まる。下半分には橙と赤の面、黄と黒の平行な帯、右下の薄紅の四辺形が散らばる。2008年のサザビーズの目録は、傾いた青い四角形と長方形の群れが右上へ向かう軌道に沿って並び、それを暗紫色の帯が断ち切るとし、色の形は光の粒のように白い空間を運動しているように見えるとする。同じ目録によれば、1927年のベルリンの展示の写真では、本作はワルシャワのときとは上下を逆にして掛けられており、画家は絵の向きにこだわらなかったらしい。

技法・様式

キャンバスに油彩で、何も描かれない白い地に、輪郭のはっきりした色の面だけを置いている。目録によれば、マレーヴィチは1915年の春から夏に具象への手がかりをすべて捨て、白い地に飾りのない色の幾何学的な形を置く抽象絵画に至った。同年の論文「キュビスムからシュプレマティスムへ」(翌年「キュビスムと未来派からシュプレマティスムへ 絵画の新しいリアリズム」として再刊)で、画家は、芸術家は自然と何の共通点もない形を描いてこそ創造者になれると述べ、絵の形は重さ、速さ、運動の方向にもとづいて組み立てられるべきだとした。本作は、その考えを実践した1915年から1916年の大作の一つである。

来歴

サザビーズの目録によれば、本作は1919年から1920年にモスクワで開かれた第16回国家展で初めて公開された。1927年、画家は本作をワルシャワとベルリンの個展に携えていったが、6月にソ連へ戻らざるをえず、作品をベルリンに預けたまま、1935年に没するまで国を出られなかった。本作はのちにドイツの建築家フーゴー・ヘーリングに託され、アムステルダム市立美術館に売られたとされる。美術サイト『アーツィー』によれば、同館は1958年に入手し、2008年、返還を求める訴訟の和解で遺族に戻った。同年11月3日、ニューヨークのサザビーズで6,000万ドルで落札され、2018年5月15日にはニューヨークのクリスティーズで8,580万ドル余りで落札されて、当時のロシア美術の競売記録となった。

意義

サザビーズの目録によれば、1927年のベルリン大美術展は、ほかの70点とともに本作が並んだ、マレーヴィチの国際的な評価の転機だった。ここに出た作品は、その後50年にわたり、ロシアの外で画家の仕事を知るおもな手がかりになったという。目録は、マーク・ロスコ、ジョゼフ・アルバース、エルズワース・ケリー、ドナルド・ジャッドらの仕事の源を、マレーヴィチの切り詰めた形と大胆な色にたどっている。