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《縫い物をする女》

Étude de nu
《縫い物をする女》ポール・ゴーギャン
Wikimedia Commons / ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ポール・ゴーギャン
制作年
1880年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
114.5 × 79.5 cm
流派
印象派

乱れた寝台に腰かけた裸の女性が、うつむいて白い布に針を通す。紫がかった壁にはマンドリンが掛かり、上には縞模様の布が垂れ下がる。

概要

《縫い物をする女》は、フランスの画家ポール・ゴーギャンが1880年に描いた油彩画で、コペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館にある。《裸婦習作》とも呼ばれる。デンマーク国立美術館の目録では、キャンバスに油彩で、所蔵番号はKMS3453。縦は114.5センチで、横は97.5センチと記されているが、画像の縦横比からは、ほかの資料が記す79.5センチがふさわしい。画面の左上に「Gauguin 1880」の署名と年記がある。デンマーク国立美術館の略伝によれば、ゴーギャンは1883年の終わりに職を失うまで、余暇に絵を描く株式仲買人だった。日本語版ウィキペディアによれば、1881年と1882年の印象派展にも絵を出品している。

画面の読み解き

英語版ウィキペディアによれば、本作は若い女性が衣服を繕う姿を、隠すところのない裸のまま描いている。女性は乱れた寝台に腰かけ、マンドリンと掛け布で飾られた藤色の壁を背にしている。体は斜め前から、頭は横顔でとらえられている。画面では、女性はうつむいて右手に針を持ち、左手で白い布をつまむ。寝台には白いシーツと緑の布が重なり、壁の上部には縞模様の布が垂れ下がる。

技法・様式

英語版ウィキペディアによれば、ゴーギャンはこの女性を理想化せずに写実的に描き、ふくらんだ腹や、体に比べて大きすぎる手まで写している。デンマーク国立美術館の目録が引く2004年の文献『ゴーギャンと象徴主義の起源』は、裸体の習作はゴーギャンの初期の作品にはまれで、名高い《縫い物をする女》はその例外だと記す。画面には、縫い物という日々の家事の場面と裸体とが重ねられており、裸体画であると同時に風俗画の主題をもつ。壁や肌、シーツには、細かく重ねた筆の跡が見られる。

来歴

英語版ウィキペディアによれば、ゴーギャンは本作をなかなか売ることができず、妻メッテは家に掛けることを拒んだ。デンマーク国立美術館の目録の来歴は、コペンハーゲンのメッテ・ゴーギャン、1892年のテオドール・フィリプセンの順である。同館の略伝によれば、ゴーギャンは1884年11月から1885年6月までコペンハーゲンで暮らしたが、当時のデンマークの画家のなかで共感を寄せ、影響を与えたのはフィリプセンだけだったとみられ、そのフィリプセンが1892年に本作を手に入れた。本作は1920年4月10日にデンマーク国立美術館に入った。日本語版・英語版ウィキペディアによれば、現在はニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館にある。

意義

英語版ウィキペディアが出典に挙げる美術史家メアリー・マシューズ・ゲドの1995年の論文は、「芸術上の突破口からの後退—ゴーギャンの《裸婦習作(縫い物をするシュザンヌ)》」と題されている。デンマーク国立美術館の略伝によれば、ゴーギャンがコペンハーゲンを去った後も、残された彼の印象派の収集はメッテや義弟エドヴァルド・ブランデスのもとで見ることができ、若いデンマークの画家たちがフランスの美術に初めて触れる機会となった。その一部は、いまグリプトテクにある。