《カーテン、水差しと果物入れ》
引き出しの付いた木の小卓に白い布が掛かり、リンゴやオレンジ、レモンが転がる。右には果物を高く盛った皿、左には灰色の陶器の水差しが立ち、その奥に青い葉模様のカーテンが垂れている。
概要
《カーテン、水差しと果物入れ》(仏: Rideau, cruchon et compotier)は、フランスの画家ポール・セザンヌが1893年から1894年頃に描いた油彩画である。縦59センチ、横72.4センチのキャンバスに、布を掛けた小卓の上の水差しと果物、果物皿を描いた静物画で、現在は個人が所蔵する。
画面の読み解き
セザンヌ協会が監修するオンラインのカタログ・レゾネによれば、画面に描かれるのは、リンゴ、レモン、洋梨などの果物、果物を盛った脚付きの皿、炻器の水差し、青い模様の布のカーテン、そして木のテーブルである。英語版ウィキペディアによれば、果物は白い布のひだのあいだにも置かれ、左のカーテンは模様のある壁の前に垂れる。大きな陶器の水差しは通常の遠近法に従わず、果物やほかの要素の形に合わせるように描かれている。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれる。英語版ウィキペディアによれば、本作は形と均衡、物の対称を探るセザンヌの関心を示す、整った構成の静物である。物の豊かな色は一つひとつ描き分けられ、さまざまな濃淡が使われている。カタログ・レゾネによれば、制作年について、リウォルドは1893〜1894年、ヴェントゥーリは改訂版で1893〜1895年、クーパーは1893年以降とみている。
来歴
カタログ・レゾネによれば、本作は画商アンブロワーズ・ヴォラール、アムステルダムのコルネリス・ホーヘンダイク、パリのポール・ローザンベールの手を経て、1920年7月にアメリカの収集家アルバート・C・バーンズが購入し、財団(バーンズ・コレクション)の所蔵となった。1950年にニューヨークのノードラー画廊、カーステアーズ画廊を経て、ジョン・ヘイ・ホイットニー夫妻のものとなる。1999年5月10日のサザビーズの競売に出品されたのち、ラスベガスのスティーヴ・ウィンを経て、現在は実業家ケネス・C・グリフィンが所蔵する。
意義
カタログ・レゾネによれば、本作はホイットニー夫妻の所蔵時代に、1952年のシカゴ美術館とメトロポリタン美術館のセザンヌ展、1995〜1996年のグラン・パレのセザンヌ大回顧展などに貸し出された。2006〜2007年にはメトロポリタン美術館の「セザンヌからピカソへ:前衛の擁護者アンブロワーズ・ヴォラール」展、2022〜2023年にはシカゴ美術館とテート・モダンのセザンヌ展、2026年にはバーゼル近郊リーエンのバイエラー財団のセザンヌ展に出品された。