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《プロセルピナ》

《プロセルピナ》ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
Wikimedia Commons / テート・ブリテン / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
制作年
1874年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
125.1 × 61 cm
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薄暗い廊下で、深い青緑の衣をまとった女が、ひと口かじったザクロを手に、横目で物思いにふける。背後の壁には上の世界からの光が差し、蔦の枝と香炉が添えられ、右上の札にはイタリア語の詩が記される。

概要

《プロセルピナ》(英: Proserpine)は、イギリスの画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティが1874年に描いた油彩画である。縦125.1センチ、横61センチのキャンバスで、ロンドンのテート・ブリテンが所蔵する。ローマ神話の冥界の女王を、友人ジェーン・モリスをモデルに描いた神話画で、画家は同じ主題を少なくとも8度描いた。

画面の読み解き

テートの解説によれば、本作は女神プロセルピナがザクロをかじった直後の瞬間をとらえる。冥界に囚われた彼女を、上の世界から差す一筋の日の光が照らす。ロセッティ自身が1878年に記した解説によれば、彼女は宮殿の薄暗い廊下にいて、宿命の果実を手にしている。通り過ぎるとき、ふと開いた隙間から上の世界の光が背後の壁に差し、彼女は物思いに沈みながらそちらを盗み見る。背後の香炉は女神の持物で、蔦の枝は「すがりつく記憶」の象徴とされる。波打つ濃い褐色の長い髪が肩を覆い、女は片手でザクロを胸の前に掲げ、もう一方の手でその手首を押さえる。暗い青緑の衣の襞が画面の大半を占め、白い手と赤い唇、ザクロの赤い実が際立つ。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。ロセッティ・アーカイヴによれば、左下の巻物にはイタリア語で「ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、1874年の元日に描く」と署名と年記があり、右上の札には画家がイタリア語で書いたソネットが記される。画家は英語の訳も作り、二つのソネットは1875年に雑誌に「絵のためのソネット」として発表され、1881年の『バラッドとソネット』にも収められた。詩も絵も、冥界からの声のように女神自身が語る形をとる。

来歴

同アーカイヴによれば、画家は1871年にこの主題に取りかかり、何枚ものキャンバスで描き始めては退けた。1874年1月には、パトロンのフレデリック・レイランドのために描いた第7作が鉄道での輸送中に壊れたと書き送っている。本作はその第7作で、画家の没後、1883年のロイヤル・アカデミーの展覧会に出品された。テートの記録によれば、1940年にW・グレアム・ロバートソンが寄贈した。所蔵番号はN05064。テート・ブリテンの「Beauty and Protest 1845-1905」の部屋(第10室)に展示されている。

意義

テートによれば、晩年のロセッティは友人ジェーン・モリスを繰り返し描き、亡くなった月にもプロセルピナの第8作に取り組んでいた。ロセッティ・アーカイヴは、夫のもとに縛られ、短いあいだしか逃れられないプロセルピナの主題に、画家とジェーンの二人の生き方との重なりをみる研究者の指摘を紹介している。