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《ラヴォワジエ夫妻の肖像》

Antoine Laurent Lavoisier (1743–1794) and Marie Anne Lavoisier (Marie Anne Pierrette Paulze, 1758–1836)
《ラヴォワジエ夫妻の肖像》ジャック=ルイ・ダヴィッド
Wikimedia Commons / メトロポリタン美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジャック=ルイ・ダヴィッド
制作年
1788年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
259.7 × 194.6 cm
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大理石の柱が並ぶ部屋で、白いドレスの女性が夫の肩に手をかけて立ち、机で書き物をする夫が振り返って彼女を見上げる。赤い布の掛かった机にはガラスの実験器具が並び、床にも大きなガラスの球が置かれる。

概要

《ラヴォワジエ夫妻の肖像》は、フランスの画家ジャック=ルイ・ダヴィッドが1788年に描いた油彩の肖像画で、ニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する。館の記録では、キャンバスに油彩で、縦259.7センチ、横194.6センチ。所蔵番号は1977.10で、1977年にチャールズ・ライツマン夫妻の寄付によって購入された。館の633室に展示されている。描かれているのは、しばしば近代化学の父と呼ばれるアントワーヌ・ローラン・ラヴォワジエ(1743〜1794年)と、妻マリー・アンヌ(1758〜1836年)である。

画面の読み解き

大理石の柱が立つ灰色の部屋で、白いドレスに水色の帯を締めた妻が、夫の肩に手をかけて机にもたれ、こちらを見る。黒い服の夫は羽根ペンを手に書き物の途中で、振り返って妻を見上げる。赤いビロードの布を掛けた机には、ガラスの容器やインク壺が並び、床にも大きなガラスの球と金属の器具が置かれている。左の椅子には大きな画帳のようなものと黒い衣が置かれている。館の解説によれば、本作は流行の、しかし簡素な服をまとった、科学に心を寄せる近代的な夫婦を打ち出した、ヨーロッパの肖像画の画期となる作品である。

技法・様式

館が2021年9月1日に発表した調査によれば、絵画修復家ドロシー・マホンが2019年3月から10か月かけてワニスを取り除くうちに、画面の一部に不規則な凹凸や細かなひびがあることに気づいた。赤外線反射撮影とマクロ蛍光X線分析の結果、マリー・アンヌは最初、リボンと造花で飾った大きな羽根付きの帽子をかぶって描かれ、赤い布の下には金銅の装飾を施した机があったことが分かった。夫妻が近代化学の誕生に立ち会ったことを告げる実験器具は、最初の構図にはまったく無く、後の描き直しで加えられた。館の論考は、この描き直しによって、夫妻を徴税請負人として前面に出す表現から、科学の仕事を強調する表現へと変わったとしている。

来歴

館の論考によれば、注文の記録はほとんど残っていないが、夫妻は1788年12月に完成した作品の代金を画家に支払っている。ダヴィッドは本作を1789年のサロンに出品する予定だったが、王の当局が直前に取り下げを勧めた。館の解説は、革命の熱を煽ることを恐れたためとしている。作品は100年後の1889年のパリ万国博覧会まで公開されなかった。1977年、チャールズとジェイン・ライツマン夫妻がメトロポリタン美術館のために購入した。

意義

館の解説によれば、マリー・アンヌは実験の記録帳をつけ、夫の著書のための銅版の挿絵を手がけた、研究室の重要な協力者だった。ラヴォワジエは火薬の研究にも関わっていたが、1789年夏にバスティーユからこの貴重な物資を運び出したことが誤解を招き、その立場が疑われた。この一件と徴税請負人という身分がもとで、彼は1794年にギロチンで処刑された。