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《聖母の結婚》

Sposalizio della Vergine
《聖母の結婚》ペルジーノ
Wikimedia Commons / カーン美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ペルジーノ
制作年
1500–1504年
素材
板(ポプラ) / テンペラ・油絵具
寸法
236 × 186 cm
所蔵
カーン美術館 (Inv. 171)
流派
イタリア・ルネサンス
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遠くに八角形の神殿がそびえる石畳の広場の前で、大祭司が中央に立ち、左のヨセフが右の聖母の指に指輪をはめている。ヨセフの手には花の咲いた杖がある。その後ろには若い男たちと女たちが並び、手前の若者は杖を膝で折ろうとしている。

概要

《聖母の結婚》(伊: Sposalizio della Vergine)は、イタリアの画家ペルジーノが1500年から1504年にかけて描いた祭壇画である。縦236センチ、横186センチのポプラ材の板にテンペラで描き、油彩で仕上げを加えている。フランスのカーン美術館が所蔵し、同館の創設期の収蔵品を代表する傑作とされる。

画面の読み解き

所蔵館によれば、描かれているのはヨセフと聖母マリアの婚礼で、大祭司ザカリアが中央で二人の手を結び、左のヨセフが右の聖母の指に指輪をはめる。13世紀のヤコブス・デ・ウォラギネ『黄金伝説』によれば、求婚者たちは杖を持って集められ、杖に花が咲いた者が夫に選ばれた。花の咲いた杖を持つのはヨセフだけで、背後の若い求婚者たちは悔しさから杖を折っている。聖母の後ろには、神殿でともに育った乙女たちが並ぶ。左から4人目の、ほかより暗い顔は画家の自画像とみる説がある。

技法・様式

所蔵館によれば、男たちと女たちを左右に分けた左右対称の作品で、中心の軸は神殿の中央から大祭司の帽子の先、鼻、鬚、帯を通って足のあいだに下りる。神殿の開いた扉は消失点にあたり、絵のすべての線がそこへ集まる線遠近法で空間が組み立てられている。遠くの丘や空は青みがかった灰色にぼかされ、空気遠近法も用いられている。八角形の神殿は、画家がシスティーナ礼拝堂に描いた《聖ペテロへの鍵の授与》の建物を簡略にしたものである。

来歴

所蔵館の資料によれば、ペルージャ大聖堂の聖ヨセフ礼拝堂のために1489年に注文された。礼拝堂には聖母の結婚指輪の聖遺物が納められていた。注文はピントゥリッキオ、続いてカポラーリに出されたが二人とも辞退し、1499年にペルジーノに任された。1797年2月、イタリア遠征中のボナパルトの軍によって大聖堂から持ち去られてパリへ運ばれ、1804年2月1日にカーンの美術館に配分された。ペルージャ市は1814年から1816年に返還を求めたが実現しなかった。所蔵番号は171。

意義

所蔵館によれば、ペルジーノの弟子ラファエロは1504年、同じ主題の《聖母の結婚》(ミラノ、ブレラ美術館)を描いた。師は56歳、弟子は21歳で、若い弟子は師にまったく引けを取らなかった。所蔵館は、本作をキリスト教と古代の遺産を調和させようとしたルネサンスの意志を体現する作品とする。