クレジット方針 収録範囲について お問い合わせ
作品COLLECTION 画家ARTISTS 流派MOVEMENTS 時代PERIODS 所蔵MUSEUMS 様式史HISTORY 用語集GLOSSARY 検索SEARCH

《レダと白鳥》

Leda e il cigno
《レダと白鳥》アントニオ・コレッジョ
Wikimedia Commons / ベルリン絵画館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
コレッジョ
制作年
1532年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
156.2 × 195.3 cm

木立に囲まれた川辺で、裸のレダが白鳥を膝に迎え、白鳥はそのあごにそっと嘴を寄せる。右手の水の中では、別の娘が白鳥から身を引き、岸では侍女に体を拭かれる娘が、飛び去る白鳥を見上げる。左ではキューピッドが竪琴を奏でる。

概要

《レダと白鳥》は、コレッジョが1532年頃に描いた油彩画である。縦156.2センチ、横195.3センチのキャンバスで、ベルリン絵画館が所蔵する。所蔵館によれば、1532年頃にマントヴァ公フェデリーコ2世・ゴンザーガが注文した作品で、さまざまな姿に変身して想う相手に近づいたギリシャの神ゼウス(ユピテル)の恋を描く連作に属する。同じ連作には《ユピテルとイオ》がある。

画面の読み解き

所蔵館によれば、レダはアイトリア王テスティオスの娘で、スパルタ王テュンダレオスの妻である。画面では、エウロタス川のほとりの木立のそばで水浴びをしている。そこへゼウスが白鳥の姿で近づいて誘惑し、嘴でやさしくレダのあごに触れる。川ではほかに2人の娘が水を浴びている。レダの侍女たちとも、同じ物語の別の場面とも考えられる。一人は近づく白鳥に驚いて身を引き、もう一人は侍女に体を拭いてもらいながら、空へ飛び去る白鳥を見上げる。左では、翼のある愛の神キューピッドが音楽の神アポロンの楽器である竪琴を奏で、そばで2人のプットーが笛を吹く。

技法・様式

所蔵館によれば、レダと白鳥の神話には多くの異伝があるが、コレッジョは最もよく知られた筋立てを選んだ。所蔵館が Google Arts & Culture に寄せた画家の紹介は、ダイナミックな構図、錯視的な遠近法、大胆な短縮法によって、コレッジョが18世紀のロココ美術を先取りしたとし、本作を最もよく知られた作品の一つに数える。

来歴

所蔵館によれば、本作は波乱の歴史を経てきた。フランスの摂政オルレアン公フィリップが所有したのち、その息子ルイは、レダの描写をあまりに淫らだとして、宗教的な激情にかられて画面を切り裂いた。断片を受け取った宮廷画家でコレクションの管理者シャルル・コワペルが継ぎ合わせて修復し、のちに画家ジャック=フランソワ・ドリヤンがレダの頭部を描き直した。1755年にフリードリヒ大王がサンスーシの画廊のために購入し、1806年にナポレオンがパリへ運ばせると、ピエール=ポール・プリュードンが再び頭部を補った。ベルリンに戻ったあとの1830年、ヤーコプ・シュレジンガーが最後の修復、あるいは描き直しを行った。1829年から1830年に、プロイセン王家の宮殿から同館へ移された。所蔵番号218。

意義

所蔵館によれば、本作はベルリン国立美術館群の絵画館の名品の一つである。神話の恋を官能的に描いた神話画であると同時に、その官能ゆえに傷つけられ、時代ごとの画家の手で補われてきた来歴そのものが、作品の受け取られ方の歴史を物語っている。