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《希望》

《希望》ジョージ・フレデリック・ワッツ
Wikimedia Commons / テート・ブリテン / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジョージ・フレデリック・ワッツ
制作年
1886年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
142.2 × 111.8 cm
流派
象徴主義
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青くかすむ空の下、目隠しをした女が地球の上にうずくまり、竪琴に耳を寄せる。竪琴の弦はほとんど切れ、残るのは一本だけ。裸足の女は身をかがめ、その弦が鳴らすかすかな音に聴き入っている。

概要

《希望》(英: Hope)は、イギリスの画家ジョージ・フレデリック・ワッツが助手とともに1886年に描いた油彩画である。縦142.2センチ、横111.8センチのキャンバスで、ロンドンのテート・ブリテンが所蔵する。「希望」を一人の女の姿で表した寓意画で、館の雑誌『Tate Etc』は、ワッツの作品の中で最も影響力があり、印象深く、奇妙な絵とする。

画面の読み解き

テートの解説によれば、ワッツは目隠しをした「希望」の姿を地球の上に描いた。女は竪琴を奏でているが、その弦は一本を残してすべて切れている。『Tate Etc』のポール・バーロウの記事によれば、身をかがめ、孤独で、目隠しをした裸足の女は、題に反して絶望の淵にいるように見える。それはキリスト教の伝統が説く確かな希望ではなく、「望みのないところに望みをかける」ときの希望、絶望に身を委ねまいとする人の希望だという。一本だけ切れずに残る粗末な木の竪琴の弦は、女にとって音楽の唯一の望みだが、鳴るのと同じくらい切れてしまいそうにも見える。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。同記事は、唯美主義と強く結びついたグローヴナー・ギャラリーで発表された本作が、ホイッスラーやアルバート・ムーアの絵と同じほど画面の調和に心を砕いており、青と銀の「夜想曲」にも似るとする。ワッツは同じ構図を少なくとも6つの版で描き、成功した図像を描き直して公共の収集に寄贈することが多かった。最後の版は下絵に近く、竪琴はほとんど描かれず、弦は示されていないという。

来歴

同記事によれば、この図像は1886年にロンドンのグローヴナー・ギャラリーで初めて展示され、翌年のマンチェスターの記念博覧会では、ワッツの作品を並べた壁の中央に掛けられた。テートの解説によれば、1889年のパリ万国博覧会でも大いに称賛された。テートが所蔵するのは助手とともに描いた版で、テートの記録によれば、ワッツ自身が1897年に寄贈した。所蔵番号はN01640。いまはテート・ブリテンの「Sensation and Style 1870-1910」の部屋(第11室)に展示されている。

意義

テートによれば、批評家の中には「絶望」の題のほうがふさわしいと論じる者もいたが、ワッツは「希望は期待を意味する必要はない。ここでは、残された一本の弦から生まれる音楽を示している」と説明した。本作は版画で広く複製され、ヴィクトリア朝の家庭でよく見られた。ピカソは《年老いたギター弾き》(1903〜1904年)の源の一つに本作を用い、近年ではバラク・オバマが、政治の道に入るきっかけになったと語っている。