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《勇士たち》

Богатыри
《勇士たち》ヴィクトル・ヴァスネツォフ
Wikimedia Commons / トレチャコフ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヴィクトル・ヴァスネツォフ
制作年
1881–1898年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
295.3 × 446 cm
流派
移動派
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雲の流れる空の下、草原の丘に三人の騎士が馬を並べて立つ。中央では黒馬に乗った髭の勇士が額に手をかざして遠くを見張り、左の白馬の勇士は剣の柄に手をかけ、右の若い勇士は弓を手にする。足もとには小さな若木が並ぶ。

概要

《勇士たち》(露: Богатыри)は、ロシアの画家ヴィクトル・ヴァスネツォフが1881年から1898年にかけて描いた油彩画である。縦295.3センチ、横446センチ。ロシアの英雄叙事詩ブィリーナに歌われる三人の勇士(ボガトィリ)が、祖国の国境を守って見張りに立つ姿を描く。モスクワのトレチャコフ美術館が所蔵する。

画面の読み解き

所蔵館によれば、中央の黒馬に乗るのはイリヤ・ムーロメツで、素朴で力強い。ブィリーナでは、ムーロム近くのカラチャロヴォ村の農民の子である。右手に提げた鎚矛は武器であると同時に大きな力と権威の象徴で、左手には、時が来るまで休ませておく戦いのしるしの槍を持つ。落ち着いた確かな力と人生経験に裏打ちされた知恵をたたえ、黒馬と一体になって、勇士たちの見張り所の長として一団をまとめる。その左手、画面の右にいるのが最も若い勇士アリョーシャ・ポポーヴィチで、機転が利き、歌い手でグースリ弾きでもある。手には弓を持ち、鞍の脇にグースリをつける。画面左の白馬の勇士ドブルィニャ・ニキーティチは堂々とした風格をもち、キエフのウラジーミル公の従士とされる。三人のうち彼だけが金の十字架を下げている。所蔵館は、ヴァスネツォフの勇士たちは「歴史的」でありながら叙事詩の時間に生きており、勇士という理念そのものの化身になったと述べる。伝説を歴史画の大画面に仕立てた作品である。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、ヴァスネツォフは大きな画面に三人の大きな人物を正面向きに並べ、力と威厳を感じさせた。人物は前景に引き寄せられ、低い視点から見上げるため、台座の上に立つように見える。とがった兜はまるで空を支えるかのようである。暗い森に覆われた緑の丘は勇士たちのすぐ背後まで迫り、画面は平らにまとめられて、壁画に近い様式になっている。風景は広い筆づかいで描かれ、ところどころに細かく描かれた野の花が叙情を添える。手前の背の高い草と小さな若木の輪郭は、押し寄せる大きな面の流れを受け止めている。

来歴

所蔵館によれば、画家は1871年に最初の鉛筆の下絵を描いて以来、この作品のことを考えない時はなかったと語り、その完成を「生まれた国の民への創作上の義務」と考えていた。日本語版ウィキペディアによれば、本作は1898年4月に完成した。所蔵館によれば、同年6月、パーヴェル・トレチャコフが画家から買い取り、生前最後の購入作の一つとなった。ヴァスネツォフの作品のために画廊の2階に大きな展示室が設けられ、本作は今もそのとき掛けられた場所にある。所蔵番号は1019。

意義

所蔵館によれば、構図と様式の工夫によって、画家は英雄叙事詩の勇士たちについての民衆の思い描く姿を伝えた。批評家ウラジーミル・スターソフは、本作に「ロシアの民のすべての力と強さ、勝ち誇り、落ち着いた、重々しい力」が表れていると述べた。館は本作を、19世紀後半のロシア美術で最も重要で愛される絵の一つとしている。