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《ゲルマニア》

Germania
《ゲルマニア》フィリップ・ファイト
Wikimedia Commons / ゲルマン国立博物館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フィリップ・ファイト (伝)
制作年
1848年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
482 × 320 cm
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朝日の射す丘を見下ろす台座に、樫の葉の冠をかぶった女性が立つ。左手の槍には黒・赤・金の旗がひるがえり、右手にはオリーブの枝を巻いた剣を掲げる。胸には双頭の鷲、足もとには断ち切られた鎖が落ちている。

概要

《ゲルマニア》(独: Germania)は、1848年にフランクフルトで描かれた油彩の寓意画である。ドイツの画家フィリップ・ファイトの作とされ、縦4.82メートル、横3.20メートル。ドイツを女性の姿で表したゲルマニアを描く。1848年革命のさなか、初めての全ドイツの国民議会が開かれたフランクフルトのパウロ教会に掲げられた。ゲルマン国立博物館が所蔵する。

画面の読み解き

所蔵館の展示解説によれば、等身大の倍を超える女性像が、昇る朝日を背に立つ。足もとの断ち切られた鎖は解放の、朝日は新しい始まりのしるしである。白貂の毛皮で縁取った衣は戴冠式の衣を思わせ、胸にはドイツ連邦の紋章である双頭の鷲が見える。右手にはオリーブの枝を巻いた剣を掲げ、国の強さと平和を愛する心を示す。左手に持つ中世の馬上槍試合の槍には、1848年まで禁じられていた黒・赤・金の旗がひるがえり、頭には樫の葉の冠をいただく。de.wp が引く美術史家ライナー・ショッホの記述によれば、女性は陰になった丘の連なりを見下ろす石の台座の上に立ち、赤い衣の上に、裏地の青い金襴の広いマントをまとう。きらめく三色旗が、若く金髪の頭を背後から引き立てている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、国民議会のために短い期間で仕上げられた。展示解説は、構想を「おそらく」ファイトのものとする。de.wp によれば、ふつうはファイトの作とされ、ショッホは型と寓意の言葉が、ファイトが1836年に描いた座る《ゲルマニア》に明らかにもとづくとする。一方、ファイトの友人の画家エドゥアルト・フォン・シュタインレの息子は父が数日で描いたと書き残しており、ショッホはファイトやシュタインレら、芸術家の集まり「ドイツの家」の画家たちによる共同制作の可能性も認めている。

来歴

所蔵館によれば、パウロ教会では議長団の上の高い壁、オルガンの前に掛けられ、すべての領邦をひとつにまとめる市民の憲法をつくるよう議員たちに呼びかけた。de.wp によれば、1848年4月初めごろの予備議会を描いた石版画にすでに見え、1849年に国民議会が力ずくで解散させられると取り外された。1867年、解体したドイツ連邦の清算委員会が、ほかの品とともにゲルマン国立博物館へ引き渡した。所蔵番号は Gm608。

意義

所蔵館によれば、本作は失敗に終わった1848〜49年の革命を思い起こさせる。議会がまとめた憲法は世襲の皇帝を元首とする連邦国家を定めたが、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世は人民の手から冠を受けることを拒み、議会の努力は実らなかった。それでも本作は、革命の時代の新しい始まりと、共通の憲法を持つ統一された国の象徴とされる。