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《受胎告知》

The Annunciation
《受胎告知》ヤン・ファン・エイク
Wikimedia Commons / ワシントン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヤン・ファン・エイク
制作年
1434–1436年
素材
板からキャンバスに移し替え / 油絵具
寸法
90.2 × 34.1 cm
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高い聖堂の中で、錦の衣に冠をいただいた大天使ガブリエルが、青い衣のマリアに告げる。窓からの光の筋に乗って白い鳩が降り、床には聖書の場面が描かれ、手前に百合と赤い座布団の腰掛けがある。

概要

《受胎告知》は、ネーデルラントの画家ヤン・ファン・エイクが1434年から1436年頃に描いた油彩画で、ワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。館の記録では画面の大きさが縦90.2センチ、横34.1センチで、もとは板に描かれ、のちにキャンバスに移し替えられた。所蔵番号は1937.1.39で、館の西館の第39室に展示されている。館によれば、もとは三連祭壇画の左翼だったとみられる。

画面の読み解き

館の解説によれば、ルカによる福音書が語る受胎告知を、目の前の現実のように描いている。錦の衣に冠をいただいた館の記録する銘文によれば、大天使ガブリエルの右には告げる言葉「AVE GRA PLENA(めでたし、恵みに満ちた方)」が、マリアの左にはその答え「ECCE ANCILLA DNI(主のはしためなり)」が上下逆さかつ裏返しに記されている。館は、細部のすべてに宗教的な意味が込められ、旧約と新約の関係を説き明かしているとする。聖堂の暗い上層の、神を描いた一枚のステンドグラスは旧約の時代を、すでに「世の光」に照らされた下層の三つの窓は三位一体を表し、新約の恵みの時代を示すと読める。床のタイルには、ゴリアテの首を討つダビデや、ペリシテ人の神殿を打ち倒すサムソンなど、キリストによる救いを予告する旧約の場面が描かれている。

技法・様式

館によれば、大天使の姿でさえ重さと量感をそなえ、光と影が自然にその上を戯れる。ファン・エイクは、硬く磨かれた石から柔らかくもろい花びらまで、素材の質感を驚くべき技で描き分けた。上層のロマネスク風の丸いアーチの窓から、下層の初期ゴシック風の尖ったアーチへの移り変わりにも、古い時代から新しい時代へ移るという考えが表れている。

来歴

館の来歴によれば、本作はディジョン近郊のシャンモル修道院にあった可能性がある。1843年の目録は、ブルゴーニュ公フィリップ善良公のために描かれ、ディジョンの宗教施設を飾るためのものだったと伝える。1819年のパリの売り立てを経て、オランダ王ウィレム2世の所蔵となり、1850年8月12日のデン・ハーグの売り立てでロシア皇帝ニコライ1世のために買われ、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に入った。1930年6月、ベルリンとロンドンとニューヨークの画商を通じてアンドリュー・W・メロンが買い、1931年にメロンの教育慈善財団に移され、1937年に館に寄贈された。

意義

館は1994年に、2年に及ぶ修復を終えた本作を、展覧会「ヤン・ファン・エイクの《受胎告知》」で再び公開した。館の解説は、受胎告知の場面に旧約から新約への救いの歴史を重ね合わせた作品として本作を読み解いている。同じ画家の作品には、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの《アルノルフィーニ夫妻像》や《男性の肖像(自画像?)》がある。