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《二人の姉妹(テラスにて)》

Les Deux Sœurs (Sur la terrasse)
《二人の姉妹(テラスにて)》ピエール=オーギュスト・ルノワール
Wikimedia Commons / シカゴ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ピエール=オーギュスト・ルノワール
制作年
1881年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
100.4 × 80.9 cm
流派
印象派
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赤い帽子の若い女と、花を飾った青い帽子の少女が、川を見下ろすテラスに並ぶ。背後は芽吹いた枝と水面が溶け合う。二人は実の姉妹ではなく、題は画商が展覧会のときに付けたものである。

概要

《二人の姉妹(テラスにて)》(仏: Les Deux Sœurs (Sur la terrasse))は、ピエール=オーギュスト・ルノワールが1881年に描いた油彩画である。縦100.4センチ、横80.9センチ。アメリカのシカゴ美術館が所蔵する。印象派の明るい色を保ちながら、人物だけをしっかりと形づくった点で、この時期のルノワールの転機を示す作品である。

画面の読み解き

手前の若い女は濃紺の服に赤い帽子をかぶり、胸に小さな花束をつけて正面を向く。膝のあたりに寄り添う少女は白い服で、赤と白の花を飾った青い帽子をかぶり、こちらをまっすぐ見る。二人の後ろには鉄柵が横に走り、その先で芽吹いた枝と白い花、川面、小舟が一つに溶け合う。画面の左下には毛糸玉を入れた籠が置かれ、赤、青、緑、白の玉が並ぶ。作品全体で使われた純色がそこに集められており、絵の具のパレットのように見える。右下に「Renoir. 81」の署名がある。

技法・様式

二人の顔と手、服の輪郭は明確に描かれ、ほぼ等身大の存在感を持つ。一方、背後の草木と川は細かい筆触を重ねただけで形を結ばず、筆触分割の手法が最も自由に働いている。人物を前に出し、背景を溶かすこの対比は、1881年から1882年のイタリア旅行のあとに輪郭を重んじる方向へ進むルノワールの、その手前の段階を示す。制作は1881年の春、パリ近郊シャトゥーのセーヌ河畔で行われ、戸外制作の経験がそのまま画面の光になっている。

来歴

画商ポール・デュラン=リュエルが取得し、1882年の第7回印象派展に出品した際に《二人の姉妹》の題を付けた。実際には二人は姉妹ではなく、雇われたモデルである。のちにアメリカへ渡り、1933年にルイス・ラーンド・コバーン夫妻記念コレクションとしてシカゴ美術館に収められた。所蔵番号1933.455。

意義

輪郭のはっきりした人物と、溶けるような背景という組み合わせは、印象派の枠の中でルノワールが何に不満を抱きはじめていたかを教える。少女の頬や帽子の花に置かれた純色は、のちの柔らかな裸婦像にも受け継がれていく。シカゴ美術館の印象派コレクションを代表する一点として、広く複製されてきた。