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《湯浴み》

The Child's Bath
《湯浴み》メアリー・カサット
Wikimedia Commons / シカゴ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
メアリー・カサット
制作年
1893年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
101.3 × 67.3 cm
流派
印象派
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縞の服の女性が、膝に抱いた幼い子の足を洗面器の湯に浸している。二人はうつむいて同じ足もとを見つめる。視点は高く、床の敷物が壁のように立ち上がって見える。

概要

《湯浴み》(英: The Child's Bath)は、メアリー・カサットが1893年に描いた油彩画である。縦101.3センチ、横67.3センチ。シカゴ美術館が所蔵する。子の足を洗う女性と幼い子を、上から見下ろす高い視点で描いた作品で、カサットが繰り返し取り上げた母と子の主題の到達点とされる。印象派の画家がジャポニスムに深く学んだ時期の一点である。

画面の読み解き

緑と藤色と白の縦縞の服を着た女性が床に座り、膝の上に幼い子を抱いている。子は腰に白い布を巻いただけの姿で女性の膝に腰かけ、片手を女性の膝について体を支える。女性は片腕で子を抱え、もう一方の手で子の足を洗面器の湯に浸す。二人はそろってうつむき、湯の中の足を見つめている。右下には赤い花模様の白い水差しが置かれ、床には赤と緑の模様の敷物が広がる。背景には花模様の壁紙と、花を描いた緑の箪笥がのぞく。左下の床に、青い絵具で「Mary Cassatt」の署名がある。

技法・様式

視点はほとんど真上に近く、床の敷物が奥へ退かずに、壁のように立ち上がって見える。所蔵館は、この浅い画面と、服や敷物、壁紙のいたるところに置かれた模様が、1890年代のカサットの日本美術への傾倒を映していると解説する。1890年にパリで浮世絵の大きな展覧会を見たカサットは、翌年に多色刷りの版画の連作を手がけており、本作はその経験を油彩に移したものといえる。縞の服と子の肌、白い布と水差しが、はっきりした輪郭で区切られている。

来歴

1893年11月から12月にかけてパリのデュラン=リュエル画廊で開かれたカサットの個展に、「子どもの身づくろい」の題で出品された。同年11月24日に画商デュラン=リュエルに売られ、翌1894年1月にアメリカの収集家ハリス・ホイットモアの手に渡る。1899年に同画廊へ戻り、1910年にシカゴ美術館が購入した。カサットの作品として同館に入った最初の一点である。所蔵番号1910.2。

意義

母と子は聖母子の伝統以来の主題だが、カサットはそこから宗教の意味を外し、子の世話という日々の営みを、近くから、しかし感傷に流れずに描いた。家庭の内側に入ることのできた女性の画家であったことも、その視点を支えている。浮世絵に学んだ平面的な構成と、印象派の明るい色とが一つの画面で結びついた作品で、アメリカでもっともよく知られたカサットの作品の一つである。