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《赤いチョッキの少年》

Le Garçon au gilet rouge
《赤いチョッキの少年》ポール・セザンヌ
Wikimedia Commons / E.G.ビュールレ・コレクション財団 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ポール・セザンヌ
制作年
1888–1890年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
79.5 × 64 cm
所蔵
チューリッヒ美術館 (E.G.ビュールレ・コレクション財団の所有(2021年からチューリッヒ美術館で展示))
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白いシャツに赤いチョッキを重ねた少年が、机に左の肘をつき、頬杖をついてうつむく。もう一方の腕は長く伸びて机の端に置かれ、背後には濃い青緑のカーテンと、明るい壁が見える。

概要

《赤いチョッキの少年》(仏: Le Garçon au gilet rouge)は、フランスの画家ポール・セザンヌが1888年から1890年にかけて描いた油彩画である。縦79.5センチ、横64センチのキャンバスで、E.G.ビュールレ・コレクション財団が所有し、2021年からはチューリッヒ美術館に展示されている。ポスト印象派の画家セザンヌの肖像画の中でも、最高傑作と称される一枚である。

画面の読み解き

赤いチョッキを白いシャツの上に着た少年が、机に肘をつき、頬杖をついて、うつむきかげんに物思いにふける。もう一方の腕は、肩から手先までが長く引き伸ばされたように描かれ、机の上に置かれる。背後の左には濃い青緑のカーテンが垂れ、右奥には明るい壁と腰板の線が横切る。セザンヌのオンライン作品総目録によれば、モデルはイタリア人の少年ミケランジェロ・デ・ローザで、画商ヴォラールの在庫簿には「テーブルに肘をつき、もう一方の手を伸ばしたイタリア人の肖像。後ろに布の端」と記されている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。シャツの白や腕の肌、背景の壁やカーテンには、青や緑、紫を帯びた短い筆触が並べられ、チョッキの赤がその中で強く響く。同じ作品総目録には、同じ少年と赤いチョッキを描いた油彩がほかに3点載っており、セザンヌは一人のモデルをくり返し描いた。画家の息子は、ヴォラールの写真に1888年の年記を書き込んでいる。

来歴

財団によれば、本作はおそらく1895年のヴォラール画廊でのセザンヌ展に合わせて画家から画商アンブロワーズ・ヴォラールに渡り、1909年にブダペストの収集家マルツェル・デ・ネメシュが2万フランで買った。1913年のパリの競売で5万6千フランでゴットリーブ・フリードリヒ・レーバーの手に渡り、1948年8月28日にエミール・ビュールレが40万スイス・フランで購入した。1960年に相続人が財団に寄贈した。2008年2月10日、財団の美術館が武装強盗に襲われ、本作を含む4点が奪われたが、2012年4月、ベオグラードでの大がかりな警察の作戦で取り戻された。

意義

美術誌『美術手帖』によれば、2018年に東京の国立新美術館で開かれたビュールレ・コレクション展で、財団の館長ルーカス・グローアは、ビュールレ自身が本作と《扇子を持つセザンヌ夫人の肖像》《パレットを持つ自画像》の3点の肖像画を、収集の中心であり誇りであると語っていたと紹介した。財団は1960年からチューリッヒの邸宅で収集を公開していたが、2015年に閉館し、2021年10月にチューリッヒ美術館のチッパーフィールド館に移った。