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《エプソムの競馬》

Course de chevaux, dit traditionnellement Le derby de 1821 à Epsom
《エプソムの競馬》テオドール・ジェリコー
Wikimedia Commons / ルーヴル美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
テオドール・ジェリコー
制作年
1821年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
92 × 123 cm
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暗い雨雲の下、緑の草地を4頭の競走馬が左へ疾走する。どの馬も前脚を前へ、後ろ脚を後ろへまっすぐ伸ばし、ひづめは地面を離れている。騎手たちは色とりどりの服で身をかがめ、先頭近くの一人は鞭を振り上げる。

概要

《エプソムの競馬》(仏: Course de chevaux, dit traditionnellement Le derby de 1821 à Epsom)は、フランスの画家テオドール・ジェリコーが1821年に描いた油彩画である。縦92センチ、横123センチのキャンバスで、パリのルーヴル美術館が所蔵する。所蔵館の題は「競馬、伝統的に『1821年のエプソムのダービー』と呼ばれる」で、イギリスの競馬を4騎の騎手と馬で描いた作品である。

画面の読み解き

画面の下半分を緑の草地が占め、その上を4頭の馬が横一列に近い形で左へ駆ける。手前から栗毛、黒鹿毛、白っぽい芦毛、奥に栗毛の馬が続き、騎手は青や赤、白、黄の服と帽子で身を低くかがめる。先頭近くの青い服の騎手は鞭を高く振り上げる。どの馬も首を前へ伸ばし、前脚をそろえて前方へ、後ろ脚をそろえて後方へ伸ばし、四本の脚が宙に浮いている。右端には白い杭が立ち、左の遠くには青い丘がかすむ。空の大部分を暗い雨雲が覆い、左上にだけ白く光る雲と青空がのぞく。手前の地面には水たまりが光る。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。馬の毛並みのつやは明るい筆で置かれ、草地と空は大きく速い筆で塗られる。低い地平線の上に暗い空が広がり、疾走する馬の群れは横長の画面いっぱいに並ぶ。日本語版ウィキペディアによれば、ジェリコーは馬に魅せられて馬を主題とした作品を数多く残し、ヴェルサイユ宮殿の厩舎で馬を詳しく研究する機会も得た。イギリス滞在中はリトグラフを好んで手がけていたため、本作はこの時期の貴重な油彩画である。

来歴

日本語版ウィキペディアによれば、本作はジェリコーのイギリス旅行中に、イギリスの馬商アダム・エルモアのために描かれ、1821年のダービーを描いたものとされる。この年の勝ち馬ガスタヴァスは、ダービーで初めて勝った芦毛の馬だった。所蔵館によれば、1866年に購入によって館に入り、1938年にエドガール・アイエが修復した。所蔵番号はMI 708で、シュリー翼の第941室(ジェリコーの展示室)に展示されている。1991年から1992年のグラン・パレのジェリコー展や、2018年にシャンティイで開かれた展覧会「競馬を描く――スタッブズ、ジェリコー、ドガ」にも出品された。

意義

日本語版ウィキペディアによれば、前脚と後ろ脚を前後に伸ばして宙を飛ぶような姿は、実際に馬が全速で走るときの姿とは異なる。馬が宙に浮くのは脚が胴の下に集まったときであることが、1878年にエドワード・マイブリッジの連続写真によって示された。