《布地商組合の見本調査官たち》
- 作者
- レンブラント・ファン・レイン
- 制作年
- 1662年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 191.5 × 279 cm
- 所蔵
- アムステルダム国立美術館 (アムステルダム市の所蔵品を1808年から長期貸出)
- 時代
- バロック・ロココ
- 流派
- オランダ黄金時代の絵画
ペルシャ絨毯を掛けた机を囲み、黒い服に白い襟、つば広の帽子の男たちが、開いた見本帳から顔を上げてこちらを見る。一人は腰を浮かせかけ、後ろには帽子をかぶらない使用人が立つ。
概要
《布地商組合の見本調査官たち》は、オランダの画家レンブラント・ファン・レインが1662年に描いた油彩の集団肖像画で、アムステルダム国立美術館が所蔵する。館の記録では、キャンバスに油彩で、縦191.5センチ、横279センチ。所蔵番号はSK-C-6で、「Rembrandt f. 1662」の署名と年記がある(ほかに後世の偽の「Rembrandt. f. 1661.」の署名もある)。アムステルダム市の所蔵品で、1808年8月15日から館に貸し出されている。館は本作を、レンブラントが組合のために描いた唯一の集団肖像画とする。描かれているのは、染めた布地の品質を検める、アムステルダムの布地商組合の見本調査官(スタールメースター)たちである。
画面の読み解き
館によれば、組合の見本調査官たちが机を囲んで集まり、机にはペルシャ絨毯が掛けられ、見本帳が開かれている。描かれた6人は、左からヤーコプ・ファン・ローン(1595〜1674年)、フォルケルト・ヤンス(1605/10〜1681年)、ウィレム・ファン・ドゥイエンブルフ(1616年頃〜1687年)、使用人のフランス・ヘンドリクスゾーン・ベル(1629〜1701年)、アールノウト・ファン・デル・マイエ(1625年頃〜1681年)、ヨッヘム・デ・ネーフェ(1629〜1681年)である。右の暖炉の上には、燃えるかがり火を描いた絵が掛かる。館の記事は、会合の最中に不意を突かれたかのように、今日のカメラがとらえるような姿で描かれ、男たちはまっすぐこちらを見つめ、一人はちょうど腰を下ろすところだとし、レンブラントの才能の見本だと述べる。
技法・様式
館によれば、レンブラントは、調査官たちが仕事の手を止めて顔を上げ、まるで見る者が会合に割って入ったかのように描くことで、場面に生気を与えた。館の素描の解説によれば、画家はまず全体の構図を描き、次に一人ずつの習作を描いたとみられる。残る個別の習作は、館の《ヤーコプ・ファン・ローンの習作》と、ロッテルダムにある立ち姿のフォルケルト・ヤンスの習作の2点だけである。素描のヤンスはまっすぐ立っているが、絵では少し前かがみになり、見る者の到着に反応したような動きが加えられた。この変更は描きながら行われた。ベルリンの素描にはファン・ローンとヤンスともう一人が描かれ、使用人ベルははじめ入っていなかった。X線写真によれば、ベルは当初画面の右端にいたが、のちに完成作の位置に移され、ベルリンの素描にもその位置に頭が描き足された。
来歴
館の来歴によれば、本作はモデルの調査官たちが、アムステルダムのスタール通りにある組合の会館(スタールホフ)の広間のために注文した。1771年11月27日に市庁舎の「美術の間」に移され、1808年8月15日からアムステルダム市が館に貸し出している。
意義
館によれば、1650年頃からレンブラントは財政の苦境に陥り、ローゼンフラフトの借家に移った。アムステルダムの上流の人々が訪ねてくることは少なくなったが、組合はなお、この集団肖像を彼に注文した。同じ館には、市の火縄銃組合のための集団肖像《夜警》もある。