《サン=タドレスのレガッタ》
- 作者
- クロード・モネ
- 制作年
- 1867年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 75.2 × 101.6 cm
- 所蔵
- メトロポリタン美術館
- 時代
- 写実・印象派
- 流派
- 印象派
白い雲が流れる明るい空の下、満潮の浜辺に着飾った男女が腰をおろし、沖を眺める。青緑の海には白い帆を張ったヨットが何艘も走り、浜には青い小舟が引き上げられている。左奥の岬には、家々と教会の尖塔が連なる。
概要
《サン=タドレスのレガッタ》(英: Regatta at Sainte-Adresse)は、フランスの画家クロード・モネが1867年に描いた油彩画である。縦75.2センチ、横101.6センチ。ノルマンディーの港町ル・アーヴルの郊外サン=タドレスの浜で、ヨットの競漕を眺める人々を描く。曇った干潮の浜を描いたシカゴ美術館の《サン=タドレスの浜辺》と対をなすとみられる。メトロポリタン美術館が所蔵する。
画面の読み解き
画面の上半分を、白い雲がちぎれて流れる明るい夏の空が占める。所蔵館によれば、この晴れた日のレガッタは、満潮のときに着飾った裕福な市民たちが見物する情景である。左手前の小石の浜には、帽子をかぶった男女が腰をおろし、あるいは立って沖を眺める。浜には青い小舟が引き上げられ、青緑の海には白い帆を張ったヨットがいくつも走る。左奥の岬には家々と教会の尖塔が見える。英語版ウィキペディアによれば、モネは二作を並べて展示したことがなく、晴れた満潮の行楽と、曇った干潮の漁師たちとの対比は、社会への主張というより、同じ場所を異なる条件のもとで描き分けたものとみられる。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれる。署名は左下にある。英語版ウィキペディアによれば、二作は寸法がほぼ同じで、描いた位置も数ヤードしか違わない。対になるシカゴの絵について、シカゴ美術館は、モネが戸外制作で描き始め、のちにアトリエで手を入れたとし、この夏の海景が数年前の作品とは明らかに違い、のちの印象派の特徴を先取りすると述べる。
来歴
所蔵館によれば、モネは1867年の夏を、ル・アーヴル郊外の裕福な住宅地サン=タドレスで過ごした。6月25日には、およそ20点の絵を進めていると書き、「海の絵のなかでは、浜に大勢の人がいるル・アーヴルのレガッタと、小さな帆でいっぱいの外港を描いています」と伝えた。英語版ウィキペディアが写す館の目録によれば、デュラン=リュエル画廊を経て1891年にフィラデルフィアの収集家P・A・B・ワイドナーに渡り、1907年からニューヨークのウィリアム・チャーチ・オズボーンが所有した。1951年に彼の遺贈で館に入った。所蔵番号は51.30.4。現在は展示されていない。
意義
シカゴ美術館によれば、モネが育ったこの一帯は、鉄道網の広がりによって小さな漁村から観光客の集まる海辺の行楽地へと大きく変わりつつあった。着飾った見物人とヨットの競漕を描く本作は、その変化を明るい光のなかでとらえている。同じ夏には、メトロポリタン美術館が所蔵する《サン=タドレスのテラス》も描かれた。