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《ローマのオステリアにて》

Fra et romersk osteria
《ローマのオステリアにて》カール・ハインリッヒ・ブロッホ
Wikimedia Commons / デンマーク国立美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
カール・ハインリッヒ・ブロッホ
制作年
1866年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
148.5 × 177.5 cm
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ローマの居酒屋の白いクロスのかかった食卓で、二人の若い女と一人の若い男が振り返り、こちらをじっと見る。女はナイフを手に笑みを浮かべ、もう一人はワインのグラスに口をつけ、男は肩越しに鋭いまなざしを向ける。

概要

《ローマのオステリアにて》(デンマーク語: Fra et romersk osteria)は、デンマークの画家カール・ハインリッヒ・ブロッホが1866年に描いた油彩画である。縦148.5センチ、横177.5センチのキャンバスで、コペンハーゲンのデンマーク国立美術館が所蔵する。ローマの居酒屋(オステリア)の食卓を描いた風俗画で、館は画家の最も人気のある風俗画の一つとする。

画面の読み解き

デンマーク国立美術館の解説によれば、ナイフとフォークは身構えたように握られ、まなざしはくすぶるように鋭い。白いクロスの食卓に、二人の若い女と一人の若い男がつく。白い布をかぶり珊瑚の首飾りをつけた左の女はナイフを手に微笑み、黄色の肩掛けの女はワインのグラスに口をつけ、白いシャツに赤い帯の男は肩越しに振り返る。三人とも、絵の前に立つ者をまっすぐ見返す。館は、性的なほのめかしを帯びた左の水差しが、わずかに開いた誘うような唇の近くにありながら、若い男のものよりずっと鋭い二股のフォークとナイフにも同じく近いことに目を留める。左手前には猫が座り、奥の卓には黒い上着の男たちが談笑する。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれ、「Carl Bloch pinx. 1866.」の署名と年記がある。館は、物や細部、衣服を目を見張る写実で描く画家の魅惑的な腕前が、本作によく表れているとする。テーブルクロスの襞、ガラスの水差しのワインの赤、珊瑚の粒や肩掛けの光沢が描き分けられ、壁の漆喰のはがれまで写される。館によれば、その技巧と色づかいは、デンマークで主流の動きに逆らい、同時代のヨーロッパに刺激を求めた画家たちとブロッホを結びつける。

来歴

デンマークの百科事典『デン・ストア・ダンスケ』によれば、ブロッホは1860年代にローマに長く滞在し、大画面の劇的な場面で国の新しい花形の地位を固めた。本作はその時期の作品で、同事典は、のちに広く国民に親しまれた絵の一つに本作を挙げる。館によれば、本作は先輩の画家ヴィルヘルム・マーストランの《イタリアのオステリアの情景》(1848年、ニュー・カールスベア・グリプトテク)を、より強めた変奏である。1935年に館の収蔵となった。所蔵番号はKMS4087。2004〜2005年にはストックホルム国立美術館の展覧会「イタリアの夢」に、2023年には館の回顧展「カール・ブロッホ 魅了されて」に出品され、いまは館の第220室に展示されている。

意義

館によれば、ブロッホは同時代にデンマーク最高の画家とみなされ、教訓的な歴史画や祭壇画の多くの注文のあいまに描いた風俗画は、息抜きの場でもあった。歯痛の修道士や粗野な魚売りの女などを好んで描き、それらはおかしみと同時に不気味さを帯び、さまざまな解釈に開かれている。