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《カンパーニャのゲーテ》

《カンパーニャのゲーテ》ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバイン
Wikimedia Commons / シュテーデル美術館 / PDM-owner 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバイン
制作年
1787年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
166 × 210.3 cm
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ローマ郊外の平原を背に、つば広の灰色の帽子と白い外套のゲーテが、崩れた石の上に身を横たえて遠くを見つめる。傍らには古代の浮き彫りの断片や柱頭が転がり、遠くには円形の墓廟と水道橋の廃墟が見える。

概要

《カンパーニャのゲーテ》(独: Goethe in der römischen Campagna)は、ドイツの画家ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバインが1787年に描いた油彩画である。縦166センチ、横210.3センチ。イタリア旅行中の詩人ゲーテを、ローマ郊外の平原カンパーニャの遺跡に身を横たえる全身像で描いた肖像画で、ゲーテの生まれた町フランクフルトのシュテーデル美術館が所蔵する。

画面の読み解き

ゲーテはつば広の灰色の帽子をかぶり、白い外套を体に巻きつけて、崩れた石の上に片ひじをついて横たわる。顔を横に向け、遠くの平原を見つめる。館の図像の索引によれば、背後の古代の浮き彫りの断片には、ギリシア悲劇のイフィゲネイアとオレステス、ピュラデスが表され、石には蔦がからむ。遠景には、ローマ近郊のアッピア街道に残るカエキリア・メテッラの円形の墓廟と、アルバーノ丘陵のモンテ・カーヴォが見える。館の解説によれば、画家は「偉大なゲーテ」を、古代と自分の時代のあいだに立つ人物として描いた。よく見ると、ゲーテは左足が二つあるように見え、この奇妙さはいまも説明されていない。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。館は本作を古典主義(新古典主義)の作品に分類する。館の画家の伝記によれば、ティシュバインは1786年にローマでゲーテと知り合い、ゲーテは初め画家の住まいに身を寄せた。二人はその後の数か月をローマとナポリでともに過ごし、画家は数え切れない習作を重ねて、1787年にこの肖像を描いた。館の解説によれば、ゲーテはすでに名高い作家だったため、1786年9月に身分を隠してイタリアへ旅立った。ローマでは画家とともにカンパーニャの古代の墓をめぐる遠出をし、その風景が詩人を描く舞台となった。

来歴

館の解説によれば、本作は1840年代にイタリアを旅したフランクフルトの銀行家ロートシルト家の手に渡り、一時はフランクフルト郊外の同家の館ギュンタースブルク(現在のギュンタースブルク公園)に飾られた。のちにパリに住んだアデール・フォン・ロートシルト男爵夫人がシュテーデル美術館に贈った。館の作品データは1887年の寄贈とする。現在は上階の近代美術の第1室に展示されている。所蔵番号は1157。

意義

館の解説は、この肖像ほど後世のゲーテ像を形づくった作品はほかにないとする。館の伝記も、本作を画家の名高いゲーテの肖像として挙げている。