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《アスモデウス》

Asmodea
《アスモデウス》フランシスコ・デ・ゴヤ
Wikimedia Commons / プラド美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フランシスコ・デ・ゴヤ
制作年
1820–1823年
素材
キャンバス(壁画から移設) / 油絵具
寸法
127 × 263 cm
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赤い外套で顔を半ば覆った人物ともう一人が、宙に浮かんで遠くの岩山を指さす。地上では人々の群れがうごめき、右手前では二人の兵士が銃を構えている。

概要

《アスモデウス》は、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤが1820年から1823年頃に描いた油彩画で、マドリードのプラド美術館が所蔵する。ゴヤが晩年に住んだ「聾者の家」(キンタ・デル・ソルド)の壁に描いた〈黒い絵〉と呼ばれる14点の一つで、のちに壁からカンヴァスに移された。アラゴン・ゴヤ財団の作品目録によれば、寸法は縦127センチ、横263センチ、プラド美術館の所蔵番号はP000756。

画面の読み解き

財団の目録によれば、本作は〈黒い絵〉のなかで最も多くの謎を呼ぶ作品である。家のなかでは最も明るい場面の一つで、いちばん暗い部分は手前にあり、兵士とみられる二人の人物が、画面の中ほどに見える大勢の人々に向けて斜めに銃を構えている。最も目を引くのは宙を飛ぶ二人で、一人は遠くの岩山を指さし、もう一人は背景から浮かび上がる赤い外套で顔を半ば覆っている。研究者モフィットは、宙に浮かぶこの二人を、プロメテウスをカウカソス山へ運ぶ女神ミネルウァとみている。

技法・様式

財団の目録によれば、本作は漆喰の壁に油彩で描かれ(セッコ)、のちにカンヴァスへ移された。X線写真で、主役の二人が、遠くの人々とそびえる山を描いた風景の上に描き加えられたことが確かめられている。その山は、ゴヤが以前に描いた別の作品の山と結びつけられている。目録は〈黒い絵〉を壁画とその下絵の連作として扱い、本作をその13番目に数える。

来歴

財団の目録によれば、ゴヤは1819年2月27日、マドリード郊外の「聾者の家」と呼ばれる田舎家を買い、1820年頃から1階と2階の二つの大きな部屋を絵で飾る準備を始めた。本作は2階の右の壁に、《異端審問所の行列》と並んで描かれていた。1823年、絵が仕上がった家は孫のマリアーノに譲られた。1873年に家を買ったエミール・デルランジェは、荒れ果てた家の状態を見て絵をカンヴァスに移すことにし、プラド美術館の修復家サルバドール・マルティネス・クベルスがその作業にあたった。絵は1878年のパリ万国博覧会でトロカデロ宮に展示されたのち、1881年12月20日の王令でデルランジェの寄贈として受け入れられ、1898年までにすべてプラド美術館に収まった。

意義

財団の目録によれば、題名はブルガダの付けたもので、ゴヤか家族から聞いた可能性がある。それは、トビト記に登場し、サラと結婚した男たちを次々に死なせたが、最後の夫トビアが大天使ラファエルの助けで退けた悪魔アスモデウスを、女性形で呼んだものだという。空を飛ぶ悪魔アスモデウスは、ルイス・ベレス・デ・ゲバラの小説『跛の悪魔』で家々の屋根の下をのぞき見る悪魔の着想源にもなっており、本作の意味をこれと結びつける見方もある。目録は、どの解釈にも共通するのは飛ぶこと、旅することだとまとめている。