《アレアレア》
大きな木の根もとに、二人の女が座る。一人は笛を吹き、もう一人はこちらを見る。手前を赤い犬が歩き、奥では女たちが大きな神像の前で踊り、祈りをささげる。
概要
《アレアレア》は、フランスの画家ポール・ゴーギャンが1892年に描いた油彩画で、パリのオルセー美術館が所蔵する。館の題は《Arearea》で、フランス語の副題「Joyeusetés(楽しみ)」が添えられている。館の記録では、キャンバスに油彩で、縦74.5センチ、横93.5センチ(額込みで縦95.5センチ、横116センチ)。所蔵番号はRF 1961 6。右下に「AREAREA / P. Gauguin 92」と、題と署名、年記が書き込まれている。館によれば、ゴーギャンは1891年からの最初のタヒチ滞在中に本作を描いた。
画面の読み解き
館の解説によれば、本作は観察と想像を混ぜ合わせている。手前には、ゴーギャンの作品にくり返し現れる、中央に座る二人の女、画面を断ち切る一本の木、赤い犬が置かれる。奥では、女たちが一体の像をあがめている。この像は、ゴーギャンが小さなマオリの文様をもとに、大きな仏像ほどの大きさに拡大し、聖なる儀式を想像して描いたものだという。館は、画面から空が消え、緑と黄と赤の色の帯が全体を組み立てているとし、魔法にかかったような、調和に満ちた、どこか物悲しい世界を呼び起こすと述べる。画面では、青い腰布の女がうつむいて笛を吹き、白い服の女がこちらに目を向けている。
技法・様式
ゴーギャンは、1888年にブルターニュのポン=タヴァンで、エミール・ベルナールとともに総合主義を唱えた画家である。館の解説は、本作が古くからのものとして理想化されたポリネシアの姿を呼び起こすとし、手前の二人の女や木、犬は、ゴーギャンの作品にくり返し現れるモチーフだと指摘する。画面では、奥の地面が緑から赤、黄色へと帯のように重なり、空は描かれていない。輪郭のはっきりした平らな色の面で、人物も地面も塗り分けられている。
来歴
館の来歴によれば、本作は1893年11月にパリのデュラン=リュエル画廊で開かれたゴーギャンの近作展に出品された(目録番号8)。1895年、パリのオテル・ドゥルオーで開かれたゴーギャン作品の競売に出たが、画家自身が買い戻した。その後、画商アンブロワーズ・ヴォラール、エルゼ・フォン・グアイタ、ミュンヘンのJ・B・ノイマン画廊を経て、アルジェのフレデリック・リュング夫妻が所有した。1961年に夫妻の遺贈として国に受け入れられてルーヴル美術館に入り、1986年までジュ・ド・ポームの展示室で公開されたのち、1986年にオルセー美術館に移された。
意義
館の解説によれば、1893年11月にパリで紹介されたタヒチの作品は、異国の地での探求を世に示そうとしたゴーギャンが期待したほどの熱狂を呼ばなかった。とりわけ赤い犬は多くの嘲笑を浴び、タヒチ語の題は友人たちの何人かを苛立たせた。それでもゴーギャンは本作を自分の最もよい絵の一つと考え、1895年、ヨーロッパを永久に去る直前に自ら買い戻した。本作はその後、2003〜2004年のパリとボストンの「ゴーギャン—タヒチ、熱帯のアトリエ」展や、2017〜2018年のシカゴとパリの「錬金術師ゴーギャン」展など、多くの展覧会に出品されている。