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《アポロンとダプニス》

Apollon et le berger Daphni, dit longtemps Apollon et Marsyas
《アポロンとダプニス》ペルジーノ
Shonagon / ルーヴル美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ペルジーノ
制作年
1475–1500年
素材
板(ポプラ材) / 油絵具
寸法
39 × 29 cm
流派
イタリア・ルネサンス
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川と城の見える明るい野で、裸のアポロンが長い杖を手に、腰に片手を当てて立つ。かたわらの切り株には竪琴が立てかけられる。左の岩には裸の若者が座り、目を伏せて笛を吹く。空を鳥が飛び交う。

概要

《アポロンとダプニス》は、イタリアの画家ペルジーノが15世紀の最後の四半世紀に描いた小さな油彩の神話画で、パリのルーヴル美術館が所蔵する。館の記録では、ポプラ材の板に描かれ、縦39センチ、横29センチ。所蔵番号はRF 370で、館は1883年に購入した。館の題は「アポロンと羊飼いダプニス、長くアポロンとマルシュアスと呼ばれたもの」で、館は、若い羊飼いはマルシュアスよりもダプニスとみるべきだとしている。フランスの文化財データベースは制作を1495年から1500年の間とする。

画面の読み解き

画面右には、太陽と音楽の神アポロンが、裸で長い杖を手にし、片手を腰に当てて立つ。足もとの切り株には、神の持物である竪琴が立てかけられている。左では、裸の若者が岩に腰掛け、目を伏せて縦笛を吹く。背景には木々の生えた野が広がり、城や塔の立つ町、川に架かる橋、遠くの青い山並みが見え、空には鳥が飛び交う。文化財データベースは、主題の典拠として、オウィディウス『変身物語』第6巻で、笛の名手のサテュロス、マルシュアスがアポロンと音楽を競う話を挙げている。一方、館の見学コースの解説は、若者を、ウェルギリウスの『牧歌』でアポロンを慕う羊飼いダプニスとみている。

技法・様式

館の見学コースの解説によれば、本作はその洗練された仕上がりから、かつてはラファエロの作とされていた。館の記録でも、ラファエロは「旧帰属」として残されている。19世紀の売り立てでは、マンテーニャの作として売られたこともあった。館の見学コースの頁によれば、本作はルーヴル宮のフロール翼にあるフランス美術館研究修復センター(C2RMF)で、近年調査と修復が行われた。

来歴

館の見学コースの解説によれば、本作はフィレンツェのロレンツォ・デ・メディチが注文したもので、その芸術への愛は、アポロンを慕う羊飼いダプニスの姿になぞらえられている。館の記録によれば、のちにイングランドのジョン・バーナード、トマス・ハンキーの収集に入り、1799年のハンキーの売り立てではマンテーニャの作とされた。その後トマス・ムーア・スレイド、トマス・エマーソン、フランシス・デュロヴレの手を経て、1850年のロンドンのクリスティーズの売り立てで再びマンテーニャの作とされた。これをローマの収集家モリス・ムーア(1811〜1885年)が手に入れ、「モリス・ムーアのラファエロ」と呼ばれた。ムーアは1883年5月に本作を館に売った。板の裏には、ムーアの名と購入の日付、ローマのパンテオンにあるラファエロの墓碑銘の最後の2行を写したラテン語の2行詩が記されている。

意義

本作は、ラファエロの作か否かをめぐって19世紀に大きな論争を呼び、館の文献一覧には、ムーアを「帰属の殉教者」と呼んだ1978年の論文も挙げられている。近年では、2014年のジャックマール=アンドレ美術館の展覧会「ラファエロの師ペルジーノ」、2018年から2019年のゲティ美術館とロイヤル・アカデミーの展覧会「ルネサンスの裸体」、2024年のフランス国立図書館の展覧会「ルネサンスの発明」に出品された。