- 生没年
- 1480–1556年
- 国籍
- ヴェネツィア共和国
- 様式
- ヴェネツィア派・盛期ルネサンス
ロレンツォ・ロット
1480年にヴェネツィアで生まれ、1556年か1557年にロレートで没したイタリアの画家。トレヴィーゾ、ローマ、ベルガモ、マルケ地方を渡り歩き、人物の内面まで描き出す肖像画で知られる。
略歴BIOGRAPHY
生涯
プラド美術館とロンドン・ナショナル・ギャラリーの2018年の展覧会「ロレンツォ・ロット 肖像画」の資料によれば、1495年ごろからヴェネツィアの北のトレヴィーゾで活動を始めた。1509年にはローマで、ヴァティカン宮殿の署名の間とヘリオドロスの間の仕事に加わったが、その作品はラファエロのフレスコに覆われて残っていない。1513年にベルガモに落ち着き、1525年の冬にヴェネツィアへ戻る。1534年からはアンコーナ、イエージ、マチェラータなどマルケ地方で働き、1540年にヴェネツィア、1542年から45年にトレヴィーゾ、1549年に再びマルケへ移った。1552年の夏にロレートの聖域に入り、1554年に献身者となって、1556年の末に同地に葬られた。
様式
同資料によれば、初期の作品には、おそらく師だったアルヴィーゼ・ヴィヴァリーニとジョヴァンニ・ベッリーニを通したアントネロ・ダ・メッシーナの響きがあり、さらにデューラーら北方の美術、ジョルジョーネ、ラファエロ、レオナルド、1540年代にはティツィアーノの要素が加わった。まなざしと身振りと持ち物を結びつけて人物の感情を明かす独自の言葉をつくり、ベルガモで考案した横長の夫婦肖像の形式を、ヴェネツィアでは一人の肖像にも用いた。人物に神話や聖人の持物を持たせる「隠された肖像」も生涯手がけた。
代表作
《ルクレティアを手本とする女性の肖像》(1530〜33年頃、ロンドン・ナショナル・ギャラリー)が知られる。ヴェネツィアのサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂の祭壇画《施しをする聖アントニヌス》は1540年代初めに完成した。
影響
同資料によれば、没後ほとんど忘れられたが、19世紀末に美術史家バーナード・ベレンソンが、心の状態を描こうとした最初のイタリアの画家、最初の近代的な肖像画家として再評価した。ロレートに残した会計簿『雑費帳』は、晩年の20年の暮らしと肖像のモデルを知る貴重な記録となっている。