《第四階級》
夕暮れの木立を背に、日の当たる広場を、労働者の群れがゆっくりとこちらへ歩いてくる。先頭には年の違う二人の男と、裸足で子を抱いた女。後ろの人々は手を振り、言葉を交わしながら、横に長い列をなして進む。
概要
《第四階級》(伊: Il Quarto Stato)は、イタリアの画家ジュゼッペ・ペリッツァ・ダ・ヴォルペードが1898年から1901年にかけて描いた油彩画である。縦293センチ、横545センチの大きなキャンバスで、ミラノ市が所有し、ミラノ近代美術館に展示されている。デモ行進する労働者を描いた画家の代表作で、イタリアの社会と労働を象徴する絵として知られる。
画面の読み解き
ミラノ市のノヴェチェント美術館の解説によれば、ペリッツァは故郷ヴォルペードのマラスピーナ広場を舞台に、村の農民や職人をモデルにした。前景の年の違う二人の男と、子を抱いた女に、何列にも並んだ男女の密な群れが続き、三つの大きなまとまりをなして、左右の両端の人物が全体を閉じる。影で強調された足の規則正しい運びと、つながり合う手の身ぶりが、正面向きの固さを打ち破り、労働者たちはゆっくりとした歩みで見る者へ向かってくる。背景は夕暮れの空に茂みが連なり、前景は暖かな日の光に照らされている。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれる。同館によれば、人物の組み立てには、ラファエロからレオナルド、ミケランジェロに至るルネサンス美術の長い研究が表れている。熟練の分割主義の技法で、人物と風景を小さな点や短い線、長い糸のような筆触で描き、全体の効果を見越して選んださまざまな色の土の下地の上に、補色と対比の考えに従って色を置いた(筆触分割)。細かな色の織物は、見る者の目の中で調和のとれた広がる明るさに組み直される。
来歴
イタリア人名事典によれば、画家は1890年代初めから構想を練り、《飢えの使節》《フィウマーナ》と題を改めながら研究を重ね、《労働者の歩み》として仕上げた作品を、1902年のトリノのクアドリエンナーレへの出品の直前に《第四階級》と改題した。王家に買われず忘れられていたが、1920年5月のミラノのペーザロ画廊の回顧展を機に募金が呼びかけられ、同館の解説によれば、同年5月20日に市の収集に入った。美術誌『アートリビューン』によれば、1980年からはミラノ近代美術館に、2010年からはノヴェチェント美術館に展示され、2022年に再びミラノ近代美術館に移った。
意義
同館によれば、背景に建物や聖堂を描かなかったことは、本作が一つの出来事の描写ではなく、結束した労働者が明るい未来へ向かう歩みを表していることを示し、ペリッツァは19世紀末の進歩的な社会主義に近づいた。イタリア人名事典は、本作がたちまち20世紀の革命の象徴となったとする。働くことの尊さの象徴として労働者の団体に広まり、第二次世界大戦後はイタリア社会の歩みに寄り添った。