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《スケーエン南海岸の夏の夕べ》

Sommeraften på Skagen Sønderstrand
《スケーエン南海岸の夏の夕べ》ペーダー・セヴェリン・クロイヤー
Wikimedia Commons / スケーエン美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ペーダー・セヴェリン・クロイヤー
制作年
1893年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
100 × 150 cm
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夕暮れの白い砂浜を、白いドレスの二人の女性が腕を組んで遠ざかっていく。一人は麦わら帽子をかぶる。波打ちぎわは画面の奥へ弧を描き、空と海は霞んだ同じ青の中に溶け合っている。

概要

《スケーエン南海岸の夏の夕べ》(デンマーク語: Sommeraften på Skagen Sønderstrand)は、ペーダー・セヴェリン・クロイヤーが1893年に描いた油彩画である。縦100センチ、横150センチ。スケーエン美術館が所蔵する。所蔵館によれば、1892年、クロイヤー家の夕食会のあとで客たちが夏の夕べを楽しみに浜辺へ下り、画家のアンナ・アンカーとクロイヤーの妻マリーが連れ立って浜を歩いた。それを見たクロイヤーが、この画題を思いついたという。画家の代表作の一つに数えられる風景画である。

画面の読み解き

画面の左寄りで、白いドレスの二人の女性が腕を組み、こちらに背を向けて浜辺を遠ざかっていく。右の女性は麦わら帽子をかぶり、腰に黄色い帯を締めている。左の女性は帽子をかぶらず、髪を結い上げている。波打ちぎわは画面の左下から奥へと大きく弧を描き、右手には広い白い砂浜が続いて、遠くに低い砂丘が見える。手前の砂には足跡が点々と残る。空と海は霞んだ青に包まれ、水平線はほとんど見分けられない。左下の隅に画家の署名と「Skagen 93」の書き込みがある。

技法・様式

所蔵館によれば、クロイヤーはとくに1890年代から1909年に亡くなるまで、空と海が同じ青に溶け合うように見える夕暮れのひととき、いわゆる「青い時間」のスケーエンを何点も描いた。こうした青い色調の情緒ある絵を描いたのは、クロイヤーだけではなかったと館は付け加える。デンマークの百科事典『レックス』は、本作に見られる装飾的にうねる線と、気分をたたえた青の統一された色調が、単なる描写を越えて、生き物と自然とのロマン主義的な一体感を示すと述べる。英語版ウィキペディアによれば、1990年のヒアシュプロング美術館の展覧会で、本作がクロイヤーの撮った二人の写真をもとにしていたことが明らかになった。

制作の経緯

英語版ウィキペディアによれば、クロイヤーは4点の習作を描いたのち、1893年9月に本作を仕上げた。夕食会の客でもあった作家ソフス・シャンドルフ夫妻への手紙で、画家は、1か月ほどさまざまな習作を描いたあと、ある晴れた朝に画布に描き始め、4日目の夕方には絵は今の姿になっていたと書いている。

来歴

英語版ウィキペディアによれば、作品はかつてオペラ歌手リリ・レーマンが所有し、1978年にドイツの新聞経営者アクセル・シュプリンガーが購入した。1986年、シュプリンガーの未亡人が、1943年にデンマークの人々がユダヤ人をスウェーデンへ逃がしたことを記念して、作品をデンマーク国民に贈った。現在はスケーエン美術館が所蔵している。

意義

本作は、夕暮れの青い光の中に人と海辺の風景をひとつに溶け合わせた、スケーエン派を代表する作品の一つである。描かれた二人はどちらもこの地の芸術家仲間で、画家たちの暮らしと交わりそのものが絵の題材になっている。