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《スケーエンの浜辺の夏の夕べ、画家とその妻》

Sommeraften ved Skagens strand. Kunstneren og hans hustru
《スケーエンの浜辺の夏の夕べ、画家とその妻》ペーダー・セヴェリン・クロイヤー
Wikimedia Commons / ヒアシュプロング美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ペーダー・セヴェリン・クロイヤー
制作年
1899年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
135 × 187 cm
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夕暮れの浜辺で、白いドレスの女性と麦わら帽子の男性が腕を組み、静かな海を見やる。男性の足もとには茶色の犬が寄り添う。左上には月が昇り、その光が水面に細く映る。沖には二隻の帆船が浮かぶ。

概要

《スケーエンの浜辺の夏の夕べ、画家とその妻》(デンマーク語: Sommeraften ved Skagens strand. Kunstneren og hans hustru)は、ペーダー・セヴェリン・クロイヤーが1899年に描いた油彩画である。縦135センチ、横187センチの大作で、コペンハーゲンのヒアシュプロング美術館が所蔵する。所蔵館によれば、マリーとP.S.クロイヤーの夫妻が、青い時間のスケーエンの浜辺を歩く姿を描いたもので、月の光が水に映り、二人は静まりかえった海を見わたしている。同館は、創設者ハインリヒ・ヒアシュプロングの一家と画家との生涯の友情から、スケーエンの外では最大のクロイヤーの作品群を持っている。

画面の読み解き

画面の右寄りに、腕を組んだ夫妻が波打ちぎわに立ち、左に広がる海を見やっている。手前の女性がマリーで、帽子をかぶらずに髪を結い上げ、袖のふくらんだ白いドレスを着て、手には帽子を下げている。その右に寄り添う男性が画家自身で、麦わら帽子に眼鏡をかけ、明るい黄色の上着に黒い帯を締めている。マリー・クロイヤーの資料サイトによれば、男性の足もとで脚をなめている茶色の犬は、夫妻の飼い犬ラップである。左上の空には月が昇り、その光が静かな水面に細い帯をつくる。沖の水平線には二隻の帆船が浮かぶ。空と海と砂浜は青みがかった灰色の調子にまとめられ、白いドレスと上着だけが淡く光る。右下に画家の署名と「Skagen 1899」の書き込みがある。

技法・様式

デンマークの百科事典『レックス』によれば、クロイヤーは1880年代から夕暮れの「青い時間」の気分を描き、1892年の《スケーエンの夏の夕べ、画家の妻と犬》や、1893年の《スケーエン南海岸の夏の夕べ》で、青い色調で統一した画面と装飾的にうねる線を用いて、人と自然の一体感を表した。本作もその系譜に連なる。マリー・クロイヤーの資料サイトが引く1907年の談話で、画家は、月が海から昇って水面が鏡のように光り、すべてが青く冷たい調子に沈む浜辺の夕暮れが、近年いちばん好きな気分だと語っている。

制作の経緯

英語版ウィキペディアによれば、クロイヤーは1895年、友人の画家オスカル・ビョルクに宛てた手紙で、妻と自分を一緒に描く大きな肖像画の構想を伝え、それには良い天気が必要なので今年は無理だろうと書いた。実際に描いたのは4年後の1899年夏で、1889年の結婚から10年にあたっていた。制作には写真や素描も手がかりにされた。

来歴

マリー・クロイヤーの資料サイトによれば、作品は1900年にコペンハーゲンのシャルロッテンボー展に出品されたが、批評家からは平凡だと評され、評判は良くなかった。現在はヒアシュプロング美術館が所蔵する。

意義

本作は、画家が妻と自分を並べて描いた二人の肖像画であり、画家の自画像でもある。マリー・クロイヤーの資料サイトによれば、幸せな結婚を示すために描かれたが、腕を組みながらも二人のあいだには通い合うものが欠けているように見え、マリーのまなざしは遠くにある。共にいることと同時に孤独をも語る絵であり、沖の明るい船と暗い船は二人の異なる気質を表すとも読まれている。同サイトは、象徴主義の画家たちが好んだ夕暮れの青い時間の気分を、よく伝える作品だとも述べる。