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《ジョージ・ワシントン(アテナエウムの肖像画)》

George Washington (The Athenaeum Portrait)
《ジョージ・ワシントン(アテナエウムの肖像画)》ギルバート・ステュアート
Wikimedia Commons / 国立肖像画美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ギルバート・ステュアート
制作年
1796年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
121.9 × 94 cm
所蔵
ボストン美術館 (国立肖像画美術館と共同所有) 、 国立肖像画美術館 (ボストン美術館と共同所有)
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茶色の荒い筆致の地の中に、白い髪の初老の男の顔だけが浮かぶ。黒い上着の襟と白い胸飾りはわずかに描きかけで、その下から周りにかけては、キャンバスの地が塗られないまま残る。

概要

《ジョージ・ワシントン(アテナエウムの肖像画)》(英: George Washington (The Athenaeum Portrait))は、アメリカの画家ギルバート・ステュアートが1796年に描いた油彩の肖像画である。縦121.9センチ、横94センチ。合衆国の初代大統領ジョージ・ワシントンを描いた未完の作で、ワシントンの国立肖像画美術館とボストン美術館が共同で所有する。

画面の読み解き

描き上げられているのは、ワシントンの顔と首のあたりだけである。白い髪を後ろへなでつけた64歳の大統領は、体をわずかに斜めに向け、口を固く結んでこちらを見る。頬と鼻には赤みが差し、目もとや口もとの皺まで描き込まれている。顔は画面の上半分、中央からやや右寄りに置かれる。頭のまわりには茶色の地が荒い筆で塗られ、右上へ大きく広がって、そこだけが額縁のように顔を囲む。左上は白いまま残り、絵具の染みが点々と見える。黒い上着の襟と白い胸飾りはごく粗く置かれただけで、胸飾りの白は塗り残しの地とほとんど溶け合う。その下と左側の広い部分には、塗られないままのキャンバスがのぞく。完成した部分と手つかずの部分の落差が、顔を際立たせている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。マウントヴァーノンの事典によれば、ステュアートはワシントンの肖像を3つの型で描いた。1795年にフィラデルフィアで描いた最初の「ヴォーン型」、本作の「アテナエウム型」、そして同じ1796年の全身像「ランズダウン型」である。国立肖像画美術館のエレン・マイルズによれば、画家は未完のこの肖像を写すために手元に置く許しをワシントンに求め、腰から上の今ではおなじみの姿で、75点を超える複製を描いた。

来歴

マイルズによれば、本作はマーサ・ワシントンが、マウントヴァーノンの邸に飾るため、自身の肖像と対で注文したものだった。マウントヴァーノンの事典によれば、1799年にワシントンが没したのちも、画家は求めに応じず引き渡さなかった。国立肖像画美術館の来歴によれば、画家の死後は娘ジェーン・ステュアートが受け継ぎ、1831年5月、ボストン・アテナエウムの理事会が、ワシントン記念碑協会と22人の寄付金で買い取った。1980年、国立肖像画美術館とボストン美術館が共同で購入した。所蔵番号は NPG.80.115(ボストン美術館では 1980.1)。

意義

マイルズによれば、この像は左右を反転させて1ドル紙幣に写されている。「アテナエウム」の名は、ステュアートが1828年に没したのちに、ボストン・アテナエウムの図書館が本作を手に入れたことにちなむ。マウントヴァーノンの事典も、本作を画家の最も有名な作品とする。